第3講2節 円と直線(円と直線の交点(1の2))

佐藤の数学教科書「図形と方程式」編の勉強

 

【問1】座標原点を中心にする半径rの円(x+y=r)と直線ax+by=cとの交点の座標を求めよ。

 

 

(予備知識)

受験問題のときは、円と直線の方程式の問題は、図形の方程式をベクトルの式であらわして、図形で考えます。方程式を解いて計算するのは、計算の見通しがあまり良くありません。それに対して、ベクトルを利用した図形の問題を考えることは、計算の見通しを良くするからです。

 

円の式は、

+y=r (式1)

直線の式は、

ax+by=c (式2)

 

(ベクトルで計算する)

 

 

上図のように、線分ABの中点をCとして、

点Aの座標は、ベクトルOCとベクトルCAの和で求める。

点Bの座標は、ベクトルOCとベクトルCB(=-ベクトルCA)の和で求める。

 

ベクトルOCは、単位ベクトルHに長さOC=sを掛け算して求める。

ベクトルCAは、ベクトルHに垂直な単位ベクトルJに長さCA=tを掛け算して求める。

 

 

先ず、上図のようにして、ベクトルOCを求める。

 

先ず、直線の(式2)ax+by=cを、式のxとyの係数を単位ベクトルHの値に整える。

式2’の左辺の、ベクトル(x,y)と単位ベクトルHの内積であらわした式は、ベクトル(x,y)の単位ベクトルHの方向への正射影OCの長さをあらわす。

よって、式2’から、

線分OCの長さsは、

である。

よって、ベクトルOCは、

である。

 

 

次に、上図のようにして、ベクトルCAを求める。

線分CAの長さtは、

こうして、sとtが求められ、

ベクトルOA=s(ベクトルH)+t(ベクトルJ)

ベクトルOB=s(ベクトルH)-t(ベクトルJ)

の形で求められ、点Aと点Bの座標が求められた。

この解は、以下の式で、更に具体的に書く。

 

(なお、複雑な式を新たな記号の式に置き換えるときは、用いる新たな記号は、その値の単位を最小単位にする方が良い。

例えば、記号aやbやrの単位である[長さ]は最小単位であり、一方、記号cの単位である[面積]は、[長さ]の2乗であり、最小単位ではない。

以下の式で、新たに使う記号は、R[長さ]を使うことが望ましい。)

 

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