微分積分はどうすれば勉強できるか

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微分積分」の勉強

 高校の数Ⅱで、微分積分を学ぶようになり、その勉強がつまらなくなり数学を学ぶのをあきらめて文系に進むことにする学生が多いらしい。そうなる以前に早めに数学がつまらなくなることを見切って早々と文系に進むことに決める学生も多いらしい。

 そのため、このページでは、「微分積分」をどうすればおもしろく勉強できるかというコツを考えます。

(当ブログの結論)
 高校2年生が微分積分を学習するのに適切な本は、高校生用の教科書や参考書なのでは無く、大学1年生向けの参考書:例えば:
「やさしく学べる微分積分」(石村園子)
書評「素晴らしいほどわかりやすい。 高校2年の知識があれば、すらすら読める。 数学苦手な人でも、やさしくシリーズは、微積とベクトルはとっつきやすいと思うので、おすすめです。」

などだと思います。
その本は、初めて微分積分を学ぶ高校2年生にとって、内容がわかり易いです。説明が正確でごまかしが無いので、高校教科書の微分積分の説明にあるようなごまかしが納得できず(ごまかしに納得する方がおかしい)学習が止まってしまう様なことが無く、スムーズに勉強を進めることできるので良いと思います。その本の36ページから45ページまで勉強するだけで、微分の必須知識が学べます。

当ブログでは、先ず、勉強の順番が、
(1)極限
(2)微分
(3)積分
になっている事が、
微分積分」の勉強をつまらなくしていると考えます。

 数学が好きでいつも数学を勉強している学生は、「微分積分」の授業の順番には「微分積分」を学んでいないと考えます。

 数学の問題を多く解いていて、数学の問題を解く技術を磨いてきた学生は、「微分積分」の基礎的な概念は既に考えたことがあり、その概念も利用して問題を解いている。
 そして、「微分積分」の授業に出会ったら、既に知っている自分の知識を整理するために役立てようとして授業を聞くから、「微分積分」の勉強ができるのだと考えます。

 その、既に知っている「微分積分」の知識とは、どのようなものかを以下で考えます。

 数学が好きでいつも数学を勉強している学生は、好奇心を満足させる面白いテーマの順に数学を学んで行くと思います。
 面白い数学の課題を見つける都度、その課題を自分で研究するという道草を食います。その道草の1つに、基礎的な「微分積分」の概念の修得があると思います。


 そのため、以下では、その、面白い順に、微分積分を学んでいこうと思います。
(1)積分
(2)微分
(3)極限
の概念の順に学ぶのが面白く、
それを学んだら、
(4)極限の概念の精密化
(5)微分の知識の整理
(6)積分の知識の整理
を勉強するのが、勉強の順番として適切だと考えます。

(1)積分
 以下の問題を考えます。
【問題1】 
 なぜ、三角錐の体積Vは、
体積V=底面積S×高さh×(1/3)
なのか。
 この公式は、何とか覚えられたと思いますが、
もっと、すっきり覚える方法が無いか?
と考えたことがあると思います。
 この問題は、以下の様に分析することができます。
この解に法則性があるように思われますが、
この問題は難しいので、これを解くための準備として、
この問題をもっとやさしくした以下の問題を先に解くことにします。

【問題2】
 なぜ、三角形の面積Sは、S=底辺L×高さh×(1/2)
なのか。
この問題ならば、上のような場合を考えて、解くためのヒントを見つけることができます。

この問題2で得られたヒントを拡張して、
以下の様に問題1を解析します。

【問題1(再)】
これは、以下のグラフの面積を分割して計算することに対応すると考えることができます。
(この計算で用いた2乗の数列の和の式はここをクリックした先のページにあります)

 このように問題を解析することで、後は、この2次関数のグラフの面積を与える法則性を把握すれば、この種の問題が自由に解けるようになることが理解できます。

 この様に、分割した要素の総計を求めてグラフの面積を計算する手法が「積分」です。
 また、その計算のための法則性を整理して覚えることが「積分」を勉強するということです。

もう1つ、分割した要素の総計を求める例を追加しておきます。
《グラフの微小増分の総和がグラフの高さになる》
上の図のように、グラフの傾きにΔxを掛け算した要素は、グラフの高さの増分Δyです。
上図のように、
グラフの高さの増分Δyの総計=グラフの高さy
になります。
(グラフの微小部分の総和おわり)
 
(応用例)
 分割した要素の総和を考える応用例として、下図の点Aまでの円弧の長さ θ と、長さtanθ の点Tまでの垂直線の長さの大小関係を、
下図の平行線で分割した微小部分の大小関係から求めます。平行線で円弧θを切った部分の長さをΔθと表します。平行線で(1,0)の点から点Tまでの、長さがtanθの垂直な線分を切った部分の長さをΔ(tanθ)と表します。
 
円弧 θ を平行線で分割した微小ベクトルの平行線への射影成分Pθ の長さよりも、垂直な線分tanθ を平行線で分割した微小ベクトルの平行線への射影成分P の長さの方が長い。そのため、円弧θを平行線で分割した微小ベクトルの長さΔθよりも、垂直な線分tanθを平行線で分割した微小ベクトルの長さΔ(tanθ)の方が長い。
その個々の微小ベクトルの長さの総和(積分)を考えることで、
θ <tanθ という大小関係が分かりました。
(応用例おわり)

積分の特徴)
 積分とは、連続した階段を登ることに似ています。
先ず、階段の1歩1歩の段差は有限でなければならない。
無限の段差の階段は登れないので、それは積分できない。
積分は有限の階段でつながっている。
ある点からある点まで積分できたならば、必ず、その点間をつなぐ道が、どこかを通って、通じている。その点をつなぐ道は目前の無限の高さの崖では無いが、他の道が必ずあるのです。

 (微分積分学の歴史)
 ライプニッツが、1684年に「極大と極小にかんする新しい方法」を出版して、その中で微分法を発表し、
ついで1686年に「深遠な幾何学」を出版して積分法を発表しました。

 その後に、ニュートン微分積分学を発表しました。

 それに対して、旧い数学者のバークレー司教(Bishop George Berkeley)微分積分学を攻撃した論争が微分積分学を正しく育てました。
 バークレー司教は、ダブリンのトリニティ・カレッジで神学を学び、後に講義をする。アイルランド、クロインの(英国国教会の)監督Bishopとなる(1734)。

 バークレー司教は、数学から唯物論を追放する目的で、『解析者―不誠実な数学者へ向けての論説』(The Analyst: or a Discourse Addressed to an Infidel Mathematician, 1734)で、ニュートンライプニッツ理論(微分積分学)を攻撃し、大論争を引き起こす(『解析教程』第II章第1節参照)。
ド・モアブル、テイラー、マクローリン、ラグランジュヤコブ・ベルヌーイ、ヨハン・ベルヌーイなどが論争に加わり、微積分学の論理的基礎づけに対する関心を高めた功績は大きい。
とくに、マクローリンは反論のためにニュートンの方法の厳密な構成を行った。


以下で、バークレー司教の微分積分学に対する感想を見てみます。

バークレー司教:解析者より』
  「しかし、速度の速度、その速度、そのまた速度、またその速度、またまたその速度などなどというのは、私が間違っているのでなければ、すべての人間の理解を越えてしまっています。

精神がこの捉え難いアイデア微分積分学)を解析し追及すればするほど、それはまごつき狼狽えることになり.....」

バークレー司教:解析者より』
  「......我が時代の解析者(微分積分学)は有限の量の差を考えるだけでは満足しません。

彼ら(微分積分学)はさらにその差の差を考え、最初の差の差の差を考えます。 そしてさらに無限にまで。
 つまり彼ら(微分積分学)は認識できる最小の量よりさらに無限に小さい量を考えます。

その無限に小さい量よりもさらに無限に小さな量を、そしてその上これまでの無限小量よりもさらに無限に小さい量を考え、終わりも限界もないのです。
......もう告白するしかありませんが、無限に小さい量を心に描くことは ......私の能力を超えています。
しかし、そのような無限に小さい量の、それよりさらに無限に小さい一部、だから結局それを無限倍したとしても最も微細な有限の量にまでなることもできない、そんなものを想像するということは、どんな人にとってもそれこそ無限に困難なことだろうと、私は思うのです。.....」

バークレー司教:解析者より』
  「そして、この流率(微分)とは何だろうか?

  無限小の増分の速度。 そして、これら同じ無限小の増分の速度とは何なんだろうか?
  これらは有限の量でもなく、無限に小さい量でもなく、無でもない。 こんなものなら、過ぎ去った量の幽霊と呼んではいけないというのだろうか? 」

 ニュートンとライプニッツの微分は、「無限小」の概念が十分に論理付けされていなかったため、今日のような厳密さが欠けていただが、微分は、力学や天文学などで応用可能、しかも実用的であったため、ベルヌーイやロピタル、オイラーラグランジュラプラスなどの研究によって普及していった。

 微分学が厳密性を伴うようになったのは、19世紀に入ってからである。仏の数学者コーシーは、1821年に発表した「解析教程」で「極限」や「無限小」、「連続関数」の概念を定義し、解析学の基礎を刷新し、その後デデキントカントールによる実数論などを経て、今日の微分の基礎が完成した。


 しかし、この、微分積分が歴史的に持っていたあいまいさとごまかしは、現在の日本の高校の微分積分の教育においては、更にごまかしが拡大されて教えられています。例えば、微分積分学の命綱が「連続関数」の概念ですが、高校数学では間違った定義が教えられています。以下で、その高校教育の実態を見ていきましょう。

 連続関数の定義は1817年にBolzanoが中間値の定理を証明する前提条件に連続関数の定義が必要であることを明確にしてから、その定義が定まった。その歴史的経緯から、中間値の定理を成り立たせない関数を連続関数と呼ぶ高校数学での連続関数の定義は偽物である。なお、高校数学で定義された連続関数という言葉が使い物にならないので、大学数学では、連続関数という言葉を使わずに「区間連続」という言葉で本来の意味の連続関数をあらわすことにしています。

【閉区間で連続な関数の最大値・最小値の定理】
区間( a≦x≦b)で連続な関数f(x)は、
その区間内で有限の値の最大値と最小値を持つ。

(ここまでが定理)

 この定理は、誤った連続関数の定義と異なる、正しい連続関数の定義を前提にした定理です。そのため、この定理は、高校数学では無視することが強いられています。

高校数学では、
y=1/xは、x=0以外の、全ての定義域の点で連続なので「連続関数」と呼ばれています。

また、高校数学では、閉区間( a≦x≦b)とは、変数xの値の範囲を限定する式のことであるという間違いが教えられています。

その誤った知識に基づくと、
【閉区間で連続な関数の最大値・最小値の定理】とは、

変数xの範囲( a≦x≦b)内に関数が連続である定義域を持つ連続関数f(x)は、
その範囲( a≦x≦b)内で有限の値の最大値と最小値を持つ。

(ここまでが定理)

という定理と解釈されます。

この「定理」には以下の反例があります。
関数f(x)=1/xは、
変数xの範囲
-1≦x≦1
内に定義域(ただしx≠0という定義域)が存在し、
-1≦x≦1
で定義されているどの点でも連続なので、
連続関数です。しかし、この連続関数f(x)は、
x→0の近くで∞と-∞に発散するので、
有限の値の最大値と最小値を持たない。
(反例おわり)

 しかし、この定理の基礎となっている正しい連続関数の定義が高校数学での連続関数の定義とは違うので、これは定理の反例にはなっていません。 

(補足1)
 微分と積分は,歴史的にも,数学的にも,別々に定義される. 独立して定義されたものが,結びついている。 (日本の高校の微分積分の教科書ではいちばん大切な数学の発見が,次代に伝わらない。) 

積分とは何か】
 積分については,ここをクリックした先のpdfファイルにある原教授の以下のコメントが大切です。
---(原教授のコメント開始)---------
 積分については高校でも習ってはいるが,その基礎を突き詰めていくといろいろと困ったことがでてくる.
特に 「積分微分の逆演算」として定義すると,「ある関数 f の積分を求めよ」という問題や「この関数の積分は定義できるか?」という問題でハタと困ってしまう.
微分して f になるような関数がわからない場合,高校までの知識ではお手上げだ.)
この節では高校までの知識はいったん忘れて,「積分とは何か」「積分をどのように定義すべきか」か ら話を始める.

4.1 積分(定積分)の定義
 ということで,まずやるべきは「与えられた関数f(x) に対して,その積分を定義すること」である.
これから見ていくように,かなり広いクラスの関数に対してその積分(定積分)を定義することができる.
積分を通して不定積分も定義できるので,高校までの知識とのつながりがつくことになる.
・・・
積分の最も素朴な定義はこれから紹介する「リーマン和」に基づくもので、、、
---(原教授のコメントおわり)------


(補足2)
(「リーマン積分可能」の定義)
微分積分学入門」(横田 壽)の124ページから125ページに「リーマン積分可能」の定義が書いてあります:

この本は書店で購入できます。) 

その他に、高校2年生が勉強するのに適切な、書店で購入できる微分積分の参考書は:
「やさしく学べる微分積分」(石村園子) ¥2000円
が内容がわかり易くて良いと思います。

 ここではドイツの数学者G.F.B. Riemann (1826-1917) によって示されたRiemann 積分につ いて学んでいきます.リーマン積分による「積分可能」の定義は、全ての種類の「積分可能」の定義の基礎になっています。
f(x) は閉区間[a, b] で定義されているとします.この閉区間[a, b] を次のような点xi(i = 1, 2, . . . , n) でn 個の小区間に分割します.

(a = x0 < x1 < x2 < · · · < xi < · · · < xn = b)

 この分割をΔ で表わし, Δxi = xi − xi−1 (i = 1, 2, . . . , n) のうちで最も大きい値を|Δ| で 表わします.

(注目ポイント)

 高校数学で教える区分求積法では、区間を細分した部分区間のグラフの高さf(x)を求めますが、そのxの位置が部分区間の中の特定の位置に固定されています。
その固定をしないで、どの位置のxでのf(x)を棒グラフの高さにして計算しても良い、
というのがリーマン積分です。

いま,それぞれの小区間[xi−1, xi] のなかに任意の位置に点ξi をとり,Riemann 和 (Riemann sum) とよばれる次の和を考えます.

このとき、
となる実数S が存在するならば,このS をf(x) の定積分(definite integral) といい, f(x) は閉区間[a, b] で積分可能(integrable) であるといいます.また,このS を次のように表わします.
つまり関数f(x) が閉区間[a, b] で積分可能であるということは,分割の仕方および点ξi(i = 1, 2, . . . , n) のとり方に関係なく、各点の関数値の和が一通りに定まるということです.

 この定義に従い、関数の積分可能性を以下の様にして調べることができます。
先ず小さな閉区間[a, b] を定めて、
その区間の小区間への分割の仕方および点ξi(i = 1, 2, . . . , n) のとり方に関係なく、各点の関数値の和が一通りに定まる(積分可能)か否かを調べることができます。 

積分が不可能な関数)
 下のグラフの関数f(x)のように、どの位置においても関数の極限が存在しない関数があり得ます。
 例えば、 
xが有理数の場合にf(x)=0であって、
xが無理数の場合のf(x)=1
という、極限が存在しない関数f(x)などです。
 そういう、極限が存在しない関数f(x)を積分して関数F(x)を得た場合(もし積分できた場合)、その積分により得られた関数F(x)は微分可能だろうか。
 そもそも、微分の計算は極限を求める計算なので、その関数f(x)が積分できても、その積分した関数F(x)を微分した場合に、元の関数f(x)は(極限値が存在しないので)、微分によっては得られないと考えます。

 上図の関数f(x)の変数x=x1からx=x2までの変数xの閉区間をn等分して、その区分した部分毎にf(x)の値f(ξ)を求めて、その値の和で積分します。
(1)その際に、 変数x=ξが全て有理数なら、f(ξ)=0になり、積分結果は0になります。
(2)一方、変数x=ξが全て無理数√2の有理数倍なら、f(ξ)=1になり、積分結果は(x2-x1)になります。
(3)f(x)の値f(ξ)の選び方によって結果が変わるような計算の値は定かでは無いので、その様な関数f(x)は積分することができません。

 このように、微分積分学では、あらゆる関数に微分積分を行う理論を作ろうとすると、いろいろな難しい問題があることがわかりました。
 微分積分学で、難しい問題が生じない関数の範囲を把握して、その範囲内で微分積分の計算をすることで、応用上で微分積分を使い易くできます。
 そのため、使い易い関数として、極限が存在し、かつ、連続な「連続関数」(関数f(x)が連続な範囲にxの定義域を限定した1つながりに連続な関数が連続関数です)を主に扱う対象にし、また、「微分可能性」で関数の種類と、また、関数の変数xの定義域内の所定の範囲を定めて、その所定の範囲内だけで微分積分を行うようにします。その範囲内で成り立つ法則を把握して、種々の公式を導き出して使うことで微分積分学を最大限に応用できるようになります。

 微分積分学は、微分可能な関数と積分可能な関数を定義して、その種の関数の間で微分したり積分をします。

「関数を積分して、それを微分したら元の関数に戻る」 
という、微分積分学の基本定理がありますが、
その定理は、その関数f(x)の積分可能な部分に限り、かつ積分後の関数F(x)の微分可能な部分に限って成り立つ定理です。
 その定理の大前提に、何が微分可能で何が積分可能であるかの定義があります。
(微分積分学の基本定理を厳密に定義すると、「微分積分学の基本定理」という命題は、積分可能条件を記述した命題です)

微分可能の定義微分積分学の基本定理を左右する)

 微分積分学の基本定理の根底を支えているのが微分可能の定義です。高校数学の微分可能の定義は、変数xが開区間(a<x<b)で定義された関数f(x)にしか微分可能が定義されていません。そのため、高校数学の範囲内の知識では、開区間(a<x<b)で定義された関数 f(x)にしか、微分積分学の基本定理が成り立ちません。
 一方、大学数学では、変数xが閉区間(a≦x≦b)で定義された関数f(x)の区間の端点x=a,bでも微分可能が定義されています。そのため、大学数学では、閉区間(a≦x≦b)で定義された関数f(x)にも微分積分学の基本定理が成り立つと教えられています。

 微分積分を学ぶ者は、「微分可能」と「積分可能」という制限条件を定め、その制限条件を満足する関数を扱うのが微分積分学だと認識することがとても大切です。 
 しかし、この一番大切な概念を高校2年には教えない。高校3年に至っても「積分可能」の概念を教えていないようです。
 しかも、1997年からは、日本の高校の数学IIで面積が無定義に用いられという、数学センスを否定する蛮行が行なわれた。そして、関数f(x)のグラフとx軸で囲まれる領域の面積を,x方向で微分するともとの関数f(x)になり、面積の微分がf(x)となるという本末転倒なことを教えるようになった。

 高校数学で教える積分の定義が、微分積分学の基本定理が使っている積分の概念と異なるものになった。それにもかかわらず、異なる概念になった「積分」を同じく積分と呼んで定理を記述して紹介しているため、高校でも教える微分積分学の基本定理が意味不明になった。
 しかし、「積分」がそのように定義されるという高校の教科書の記述は嘘です。そのため、微分積分学の基本定理の存在意義があります。
 そもそも、積分の概念は、日本の高校の教科書が微分の逆演算で定義しているような狭い貧弱な概念ではありません。積分の概念は、数学の研究対象を微小な部分に分割して研究し、その微小部分を集積した全体にまとめ上げて全体を考えるという、適用範囲が広い概念なのです。
「歴史的に見ても、微分より積分の方がずっと前に出現している。」

  現在の高等学校の教科書は,積分の概念の説明を回避している。

数学者の吉田洋ーが以下のようになげいています。
“論証"・論証"とやかましくいっておきながら,微積のところへ来ると,とたんにいいかげんな議論でごまかしている。一ーまた高校ではごまかさざるを得ないだろう。高校数学の目的は生徒のあたまを混乱させることにあるのだろうか。


 また、初めて不定積分を教わり積分定数Cを教わる際に、積分定数Cの正しい扱いを教わらず高校生の頭が混乱している様です。

 高校数学において、積分定数Cを省略した間違った部分積分の公式が教えられています。

 また、「従来から、(高校数学での)円弧の面積を使った証明方法は、循環論法であるという指摘はあったが、依然として、教科書の記述が直らないのは、高校数学の七不思議の一つである。」

 積分の被積分関数の計算においては、xのある値で0になる関数を分母にする、すなわち、そのxの値で0になる関数で式を割り算する計算が許されています。しかし、(大学で初めて学ぶ)広義積分を知らないと、その計算が何故許されるかが理解できません。

このようなデタラメな教育では、高校生に微分積分が分からないのも無理無いと考えます。

 バークレー司教が、これを知ったら、「論外の教育だ」 と酷評すると思います。 

 (補足3:日本の微分積分の教育)
 ヨーロッパやアメリカでは、「高校で微分積分を教えるのは、直感にうったえる内容に限られ、正確な微分積分を教えられない」という理由で、微分積分は大学生に教える科目になっています。
 日本の大学でも、その欧米の教育に合わせて、初めて学ぶ者に分かるように微分積分を改めて教育しているようです。
 大学で使う微分積分の参考書は、高校で教える微分積分の知識を全く知らない学生に理解できるように書かれています。
 しかも、大学生向けの微分積分の参考書の方が、日本の高校生向けの微分積分の参考書よりやさしく分かり易い。

 高校の微分積分を勉強するなら、先ず、大学生向けの微分積分の参考書を読むことを推薦します。高校の微分積分の教科書は分かりにくいだけで無く、間違いも含まれています。読まない方が良いのではないかと考えます。
 とりあえず、高校2年生が勉強するのに適切な、書店で購入できる微分積分の参考書:
「やさしく学べる微分積分」(石村園子) ¥2000円
が内容がわかり易くて良いと思います。大学1年生向けの参考書ですが、高校の微分積分の参考書よりも分かり易い。しかも、ごまかしが無く論理が明確なので、初めて微分積分を学ぶ高校2年生が学習につまずくことが無く、一気に読めると思います。

【数学が得意になるということ】
 「スタンフォード:本当の答えを見抜く力」(キース・デブリン)
に、スタンフォード大学に入学した大学生に教える「数学移行講座」の教育内容が書かれています。
 数学移行講座が必要な理由は、学生が大学の数学教育についていけるようにする基本的考え方を教える必要があるからです。
「数学的能力は2つのタイプに分類できます。
最も必要とされている能力は、2つ目のタイプの能力で、
製造業などで新しい問題に取り組んで、その鍵となる特徴を認識して数学的に記述し、その数学的記述を使って問題を正確に分析することができる能力です。


 数学教育では主に1つ目のタイプの人間(公式を覚えて当てはめて定型的な問題の答えを出すことができる)を育てることに力点が置かれてきましたが、結果的に2つ目のタイプの人間も育ちました。
21世紀は、タイプ2の能力に対する需要の方が大きくなっています。
このタイプ2の人材は、
数学の箱の中ではなく、外で考えられる人材です。
「斬新な数学的思考家」と呼ぶのが良さそうです。


 微分積分を学ぶ意味は、この「斬新な数学的思考家」になることにあります。
そのため、学生が「タイプ2」になることを妨害している高校生の微分積分の教科書を捨て、
正確に正しい数学を教えている本:
「やさしく学べる微分積分」(石村園子) ¥2000円
等を手に入れて、その本から微分積分を学ぶと良いと考えます。

 なお、高校生になった学生は、心身ともに大人として完成する時期に入ったので、もう中学生時代のように受け身で勉強や生きる道を選択するのでは無く、自分から積極的に広く情報を集めて取捨選択して信頼できる情報を手に入れるようにして欲しいと思います。
 世間に流通している情報には、誤った情報の方が多く、正しい情報が少ないです。誤った情報しか手に入らないと、誤った情報は問題解決の役に立たないので自信が無くなり、どうしても受け身で勉強する姿勢になり易いです。
 正しい情報の貴重さを認識する経験を積んで欲しいと思います。そして、手に入れた正しい情報に基づいた確信と、生きる勇気を手に入れて、人生の永い道に乗り出して行って欲しいと思います。

リンク: 
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ベクトルの公式一覧

ベクトルが体系的に説明されている参考書:
「数学の受験教科書 5 ベクトル」でベクトルを学ぶことができます。


《ベクトルの定義》

点AからBまでの点の座標の複数の成分の移動量の集合をベクトルABと呼ぶ。
また、もっと一般的には、複数の数の集合をベクトルと呼ぶ。


【ベクトルの基本的な公式(1)】 

以下の公式のリストが一般的な参考書に書いてある。


【それ以外の基本的公式】

ベクトルa=(a1,a2)
に垂直なベクトルav
av=(-a2,a1)
で求めることができる



また、「ベクトルを分解する道を視線でたどって式を書く」のページにある基本的な変換技術がある


《三角形の重心の公式》



《三角形の内心の公式》


《位置ベクトルの公式》

位置ベクトルの公式は、平面上の位置ベクトルを3つの位置ベクトルの合成であらわす場合に限られず、4つ以上の位置ベクトルの合成であらわす場合にも適用できる(垂心の位置ベクトルを外心の位置ベクトルと頂点の位置ベクトルであらわす場合)。その場合の各位置ベクトルの係数の和も1になる。

内分点の位置は、(内分の比が大きい点から遠くにあり、ベクトルの係数が大きい点に引き込まれる)と覚えれば良い。

2次元ベクトルの分解の公式の要約

三角形の面積比のベクトルの公式


《3つのベクトルのベクトル方程式によって、ベクトルの内積の値が確定する》

《4つのベクトルのベクトル方程式によっては、ベクトルの内積の値が確定しない》

《ベクトルPと単位ベクトルの内積はベクトルPの単位ベクトルへの正射影》

ただし、AHの方向がABの方向と反対の方向を向く場合は、上の式の左辺の項にマイナスが付きます。

〔【基本】ベクトルの内積の性質(ここをクリック)〕

《ベクトルによる三角形の余弦定理のやさしい覚え方》

上図の式のように、ベクトルの内積の使い方は、ベクトルの内積の分配法則を利用して使うのが最も一般的な使い方になります。

《三角形の垂心の位置ベクトル》

(三角形の頂点から垂心までのベクトル


《ベクトルの内積の和と積の公式》




《中線定理》


《三角形の外心の位置ベクトル》



《外心を原点にした場合の垂心の位置ベクトル》


「ひし形の対角線の直交の公式」”対角線が直交する”
も基本的な公式である。


《ひし形の対角線のベクトル変換の公式》


《2重平行四辺形の面積の公式 》


《単位ベクトルの要素の2乗の差の公式》


「直交するベクトルaとavに関する、任意のベクトルzの合成の公式」
も、基本的な公式である。

《ベクトルの分解の公式》


点Bから線分OAに下した垂線の足HまでのベクトルOHの公式


2等辺三角形の辺ベクトルと底辺ベクトルの内積の公式


線対称ベクトルの公式


《直線の方程式はベクトルの内積の式/点と直線の距離 》




《ベクトルの内積であらわされた2直線の交点》


《三角形OABの高さベクトルh》


直線上の2点を点Cと点Zとすると、


あと、ベクトルで問題を解こうとするときに問題が解けずに挫折する場合があります。
そのときの裏技として、使うべき以下の公式があります。
「ベクトル計算での挫折を回避する方法」のページの公式


《三角形の高さhの公式の証明の簡単さの差 》




三角形の辺のベクトルa,b,cとそれを90°回転したベクトルav, bv, cvの内積の以下の式が等しい。それは、三角形の面積の2倍になる。



《ベクトルの回転移動と三角関数の加法定理》


《3つの空間ベクトルが同一平面上にある条件 》


《3次元空間で点Cから三角形OABに下した垂線の足H》

《平面の法線ベクトルh》


《空間図形の面と直線の交点の求め方》


《ベクトルの外積の演算テクニック》


(演算テクニック)



《べクトルの基本の解説ページへのリンク》
▷ベクトルの定義とベクトル方程式の意味
▷ベクトルaに直交するベクトルの作り方
▷ベクトルを分解する道を視線でたどって式を書く
▷空間ベクトルの3つの公式
▷位置ベクトルの公式
▷分点の位置ベクトル(三角形の重心の公式)
▷ベクトル方程式で三角形の内心の位置ベクトルを求める
▷ベクトル方程式によりメネラウスの定理が導ける
▷三角形内の点Pからのベクトルの式と三角形の面積比と点Pの位置
▷空間図形の面と直線の交点を求める解き方のバラエティ

▷ベクトルPと単位ベクトルの内積はベクトルPの単位ベクトルへの正射影
▷ベクトルによる三角形の余弦定理のやさしい覚え方
▷直線の方程式はベクトルの内積の式/点と直線の距離
▷ベクトルの内積(直線の式)
▷ベクトルの内積(点と直線の距離)
▷ベクトルの直線と点との距離及びベクトルの張る三角形の面積
▷三角形の面積をベクトルで表す公式
▷三角形の面積をベクトルで分解して計算する
▷点Bから線分OAに下した垂線の足Hを求める
▷三角形の高さhの公式の証明の簡単さの差
▷三角形の高さベクトルhの公式の要約
▷アポロニウスの円のベクトルでの証明(外サイト)

▷三角形の中線の長さの公式(中線定理)
▷三角形の中線定理のベクトルでの証明
▷三角形の角の2等分線の長さのベクトルでの解答
▷2次元ベクトルの分解の公式の要約
▷2次元ベクトルの合成の公式と分解の公式と2つのベクトルの大きさの積の三平方の定理
▷ベクトルの内積であらわされた2直線の交点

▷余弦定理に類似した公式の多さの解決策はベクトル
▷余弦定理に類似した中線の式と方ベきの定理の解答
▷余弦定理に類似した外心の高さを含む式の解答
▷余弦定理に類似した高さhを含む式の解答

▷単位ベクトルの要素の2乗の差の公式
▷ベクトルの切替の公式
▷ひし形の対角線の直交の公式
▷2重平行四辺形の面積の公式
▷ベクトルの内積の和と積の公式
▷ベクトルの内積の和と積の公式の練習問題

▷直交した基準ベクトルを使って三角形の外心を導く
▷三角形の外接円の中心の位置ベクトルの一番簡単な計算
▷三角形の垂心の位置ベクトルの一番簡単な計算
▷外心を原点にした場合の垂心の位置ベクトル
▷ベクトルの回転移動と三角関数の加法定理
▷ベクトル方程式による極と極線
▷円の外の点Aから引いた円への接線の接点の位置ベクトルの公式を初めて学ぶ方法
▷ベクトル計算での挫折を回避する方法
▷放物線の2つの接線が45°で交わる交点の軌跡

▷3つの空間ベクトルが同一平面上にある条件
▷点Cから三角形OABに下した垂線の足Hを求める
▷(14)3次元ベクトルの外積
▷直角三角錐の面の4平方の定理とベクトルの外積
▷問題をやさしくする数学:ベクトルの外積で面の法線ベクトルを求める(12)
▷立体図形の面の法線ベクトルの求め方のバラエティ
▷3次元ベクトルの分解の公式
▷工夫(4)空間直線の交点Pの計算
▷空間直線の交点の求め方
▷空間図形の面と直線の交点を求める解き方のバラエティ
▷直交ベクトル系を見出して解く問題

リンク:
高校数学の目次


複素数平面の公式

(ページ内リンク)
▷基本的な公式群
▷ベクトルの内積を複素数であらわす
▷直線へ下した垂線のベクトル
▷直交ベクトルへの分解
▷三角形の頂点から外心までのベクトル
▷正三角形になる必要十分条件
▷線対称な点の公式
▷3倍角の公式
▷単位ベクトルの差とその共役複素数の比


【公式0】基本的な公式群




以下の公式が便利である:


以下の公式が式の変形に便利:


【公式1】ベクトルの内積を複素数であらわす公式。
 
《具体的公式》

《応用例》


【公式2】直線へ下した垂線のベクトルの複素数の公式


【公式2b】複素数の直交ベクトルへの分解の公式


【公式3】三角形の頂点から外心までのベクトルの複素数の公式




【公式4】三角形の辺の中点Mから外心までのベクトルの複素数の公式


 
【公式5】ひし形の対角線の直交の公式
以下の公式もよく使います。
 


【公式6】複素数平面上に書いた三角形が正三角形になる必要十分条件の公式




【公式7】ひし形の対角線と辺の複素数の公式

《線対称な点βと点S(s)の公式》

上図で、αとβの積の複素数と絶対値が等しく左回りの偏角θをもつ複素数が αとβであらわせ、それと等しい複素数が sとαであらわせるので、両者を等しいとする式(1)が成り立つ。

《2点αとβの垂直2等分線上の点γの公式》


【公式8】三角形の面積の公式


【公式9】複素数zとwが平行でない条件の公式


【公式10】正弦の3倍角の公式:
 

【公式11】単位ベクトルの差とその共役複素数の比の公式



【公式12】単位ベクトルの和とその共役複素数の比の公式




リンク:
高校数学の目次

不定積分とは何か

(重要外部リンク)
積分可能の定義と原始関数と不定積分の求め方

(ページ内リンク)

▽被積分関数の単位
▽はじめに
▽(外部リンク)原始関数とは何か
▽不定積分とは何か
▽積分の特徴
▽積分可能な例
▽不定積分に積分定数Cを加える事
▽不定積分の積分定数Cの扱いの誤り
▽必ずある間違い
▽広義積分 
▽(外部リンク)置換積分等の積分の計算に潜んでいる広義積分
▽(外部リンク)変な積分 


被積分関数の単位】
 被積分関数は、均質な基本的な要素の単位で考える。
 具体的には、被積分関数を、全て、1つながりに連続する関数を単位にして考える。1つながりに連続する関数は正しく定義された連続関数です。その、1つながりに連続する関数を扱うのであれば、積分の計算で誤りに陥る事を防ぐことができます。

(はじめに)
 高校数学では、「原始関数を求める」のが積分だと言われています。
しかし、大学で教わる微分積分も調べて、積分とは何かを
熟慮した結果、
積分とは「不定積分を求めること」(不定積分とは何かをハッキリさせなければなりませんが)である事である事が分かりました。

高校生は、ハッキリ教えられないでも、動物的な本能で、
積分で求めるべき”原始関数”は1つながりに連続でなければならない」
という経験を積んで来たと思います。それは、実は原始関数の定義に初めから明示しなければならない条件だったというあいまいさが原始関数の定義にはありました。
また、求める目標の原始関数の目標を明確化すると、それは、原始関数に近い関係にある不定積分でした。

積分で正しい答えを求めるために探していたのは、不定積分だったのです。

(1)不定積分F(x)は、それを微分すると、有限個の微分不可能な点を除く大部分の点で、1つながりに連続した単位の被積分関数f(x)が得られる関数の事です。
(2)不定積分は、明確に1つながりに連続な関数です。
(3)不定積分は、原始関数と違って、微分したとき、被積分関数f(x)の数点の関数値と一致しないでも良い関数です。大部分のxでf(x)と一致するだけで良いのです。

そういう不定積分を”原始関数”のつもりで求めるだけで良いのが積分の計算です。

以下では、その不定積分F(x)と、原始関数と、被積分関数f(x)との関係を見ていきましょう。

 なお、高校2年の微分積分の勉強のためには、「やさしく学べる微分積分」(石村園子)を読むと良いと思います。高校3年になって本格的に微分積分を学びたくなった学生は、学生が微分積分を無駄なく学べるよう工夫がこらされている本:小平邦彦「[軽装版]解析入門Ⅰ」を読むと、微分積分が無駄なく勉強できて良いと思います。

積分の計算の基本)積分の基本はリーマン積分
定義6.1(Riemann積分) 同志社大学 押目教授
区間[a, b]上において有界(有限な最大値と有限な最小値を持つ)な関数f(x)に対して、
以下のn+1個の有限個の小区間への分割の仕方、および、その小区間内の点ξi(i = 1, 2, . . . , n) の位置のとり方に関係なく、各点の関数値の和Sが一通りに定まる時,
f(x)は閉区間[a, b]において(Riemann)積分可能という.


(リーマン積分の例1)

 下図の左上、右上、左、の3つの各グラフを、x軸の0から値xまでリーマン積分してグラフの面積を計算すると、xの値毎の面積が、3つの場合で共通して右下のグラフになります。
(リーマン積分の例2)
以下の図の関数f(x)のグラフを考えます。
この関数f(x)の、
-1≦x≦3
の閉区間を小区間に細分した各小区間での関数の値の和が一通りに定まるので、リーマン積分可能です。
この関数f(x)を積分して、以下の図の不定積分の関数F(x)を求めることができます。
この様な積分の解は上図のグラフの不定積分F(x)であらわせます。
 この関数F(x)は、x=0とx=2で微分不可能です。一方、原始関数は、定義域の連結区間内の全ての点で微分可能な関数です。そのため、その微分不可能な点x=0とx=2を定義域の連結区間内に含む関数は原始関数ではありません。この様な簡単なグラフの面積を求める問題であっても、変数xのあらゆる実数を定義域とする原始関数を使おうとすると、問題を解く事ができません。
 しかし、不定積分の部分として、定義域を連結区間0<x<2に狭くした原始関数を不定積分の定義域の一部に組み込んで使う事ができます。
上の関数の例では、全実数の定義域の一部の0<x<2の範囲を定義域とするf(x)に対して原始関数F(x)が存在します。それを不定積分に組み込みます。また、定義域が2<xの範囲の原始関数F(x)が存在します。また、定義域がx<0の範囲の原始関数F(x)が存在します。その3つの原始関数を連続につないで不定積分を作れば良いのです。

 被積分関数の1単位を、1つながりに連続する関数を単位にして考える。1つながりに連続する関数は正しく定義された連続関数です。その、1つながりに連続する関数を扱うのであれば、積分の計算で誤りに陥る事を防ぐことができます。

 その1つながりに連続する関数毎に積分する。
例えば、下図の関数f(x)を考える場合:
x<-1での1つながりに連続する関数と、
-1<x<1での1つながりに連続する関数と、
1<x での1つながりに連続する関数を、
別々の3つの関数と考えれば良いのです。

 そのように、関数全体を、均質な基本的な要素の関数に分割して、その基本要素だけに積分の公式を適用する。

【原始関数とは何か】(ここをクリック)
-----【原始関数の正しい定義】---------------
(原始関数の正しい定義は、1つながりに連続で、かつ、微分可能な関数F(x)をf(x)の原始関数と定義します)
すなわち、関数F(x)が、連結区間a<x<bのどの点でも連続、かつ、微分可能な関数であれば、F(x)を微分して導関数f(x)が求められる。この場合に、F(x)を関数f(x)の原始関数と言う。
(藤原松三郎の「微分積分学 第1巻」)
 すなわち、原始関数は連結区間における連続関数であり1つながりのグラフであると定義されています。
-------原始関数の定義おわり-----------------

不定積分とは何か】
積分の計算については、
連結区間a≦x≦b内の全ての実数の点で関数f(x)が連続であれば、すなわち、関数が1つながりで連続していれば、
いわば実用的原始関数と言える、1つながりの関数である不定積分F(x)を使って、以下の計算でその区間の定積分が計算できる。
連結区間a≦x≦bの全ての点で1つながりに連続な関数f(x)を積分すると不定積分F(x)が求められ、上式の右辺によって定積分が計算できるという定理(微分積分学の基本定理)があります。
 また、不定積分F(x)は、常に1つながりに連続な関数である。1つながりに連続で無い関数F(x)は不定積分では無く、1つながりに連続で無い関数F(x)に上の式の右辺を適用して定積分を計算すると間違った答えになります。

【間違った計算の例】
以下の図の関数F(x)を考える。


F(x)=C2, (x<0)
F(x)=C1, (x>0)
例えば、C1=1,  C2=2, とする。
この関数F(x)を微分して積分してみます。
先ず、微分します。
F'(x)= f(x)=0, (x≠0)
次に、このf(x)を積分します。
 ここで、関数f(x)が、変数xが定義される範囲が、連結区間内の全ての実数であること。その連結区間内の全ての実数の変数xで関数f(x)が定義されていなければ、その関数は(変数xの定義域とセットになっているのが関数です)積分してはいけません。
f(x)=0, (x>0) は積分できます。
f(x)=0, (x<0) も積分できます。
しかし、
f(x)=0, (x≠0) は、x≠0 の範囲でx=0の点ではf(x)が定義されていないので、その点をまたいで積分してはいけません。
 もし、それを無視して無理に積分すると、
∫F'(x)dx=∫0dx=C, x≠0,
という積分になりますが、
その結果の積分定数Cをどのような値に調整しても、それは、元の関数F(x)には決してなりません。
(「元の関数F(x), (x≠0) は、変数xで関数F(x)が定義されるxの範囲が、x=0が除外されていることで、そのxの範囲(定義域)が、連結区間内の全ての実数では無い関数でした。)
(また、F(x), (x≠0) は、1つながりに連続な関数では無いので、そのことからも、それは決して不定積分の結果の関数にはならないということもわかります)


(微分積分学の基本定理)による不定積分の定義
 関数y=f(x)が、 連結区間a≦x≦b の全ての点で連続とする。 その条件が成り立つならば、必ず、
という計算をすることができる。(積分可能である)
そして、次のことが成り立つ。

(1)S(x)は、連結区間a<x<bで、
S'(x)=f(x)
になり、(正しい定義の)原始関数の1つである。

このS(x)の式はf(x)の不定積分の定義になっています。

上の式で積分して計算される不定積分S(x)は、定義域が、積分可能な範囲に限定されている結果、定義域が連結区間に限定されています。
そして、S(x)は、必ず、その定義域で1つながりに連続した関数になります。

(注意1)
 以下の関数f(x)は1つながりに連続な関数では無いので連続関数ではありません。
高校教科書の連続関数の定義:「関数 f(x) が、定義域のすべての x の値で連続であるとき、 f(x) は連続関数である。」は定義の言葉が足りていない。連続関数f(x)の正しい定義は、1つながりに連続な関数のことである。

この切れ切れのノコギリ状の関数f(x)を不定積分した関数F(x)を求めてみます。

ここで、関数値f(x)が定義されていないx=0.5の点等では、そのxの値の近傍までf(x)を積分して、その積分極限値をx=0.5の点等での積分値に拡張する積分をしました。

この関数F(x)を微分すると、x=0.5, 1.5, 2.5等では、F(x)の微分係数が計算できません。
この関数F(x)は原始関数ではありません。
そうなる原因は、被積分関数f(x)が1つながりに連続では無いので連続関数では無かったから、(微分積分学の基本定理)の前提条件である、関数y=f(x)が、連結区間a≦x≦bの全ての点で連続である条件が成り立っていなかったからです。

 この不定積分S(x)の微分の計算については、
大学生以上になると、
積分の閉区間の端部x=a,bでも、
片側微分だけがあれば、微分可能であるとして、
微分係数が定義されています。

(2)F(x)を、連結区間a≦x≦b 上で1つながりに連続な関数f(x)の任意の不定積分=1つながりに連続する関数とすると、

が成立する。
この式では不定積分F(x)を使って計算するが、被積分関数f(x)が連結区間a≦x≦bで1つながりに連続な関数である場合は、この式に原始関数を使っても良い。
(定理の定義おわり)

 すなわち、この微分積分学の基本定理によって、
関数f(x)が連結区間a≦x≦b上で連続であるならば、
不定積分S(x)やF(x)が、f(x)のその範囲内の積分で計算する事で求められる事が保証されています。
 そうして計算して得た1つながりに連続する関数である不定積分F(x)を使って、
関数f(x)が連続である範囲の連結区間a≦x≦bでの定積分を、
F(b)-F(a)で計算できる事が保証されています。

不定積分の定義の拡張】
関数y=f(x)の定義域が連結区間a≦x≦b
であるとする。
関数f(x)は不連続な関数であっても良い。
関数f(x)が、その定義域内で、積分の起点の変数値aを選んで、リーマン積分可能な範囲の変数値xまで以下の計算をする。
その計算の結果のS(x)がf(x)の不定積分である。
なお、不定積分S(x)は、以下の2通りの計算で得る両方の関数S(x)をつないで得る。
(1)
関数f(x)の定義域内で積分の起点の変数値aからxまで、ただし、x>aという値まで積分した関数S(x)。
(2)
関数f(x)の定義域内で積分の起点の変数値aからxまで、ただし、x<aという値まで積分した関数S(x)。
(3)
以上の2通りの計算で得る両方の関数S(x)をつないで得る関数が、不定積分S(x)である。
(4)
関数f(x)の積分の起点の変数値aの左右の方向へのxの積分可能な範囲が不定積分S(x)の変数xの定義域である。
(5)
不定積分S(x)の値は、積分の起点にする変数値aをどの値にするかによって、所定の定数Cが足された値にシフトする。ここで、全ての原始関数を不定積分が包含するように関数の定義を拡張するため、不定積分は、S(x)に積分定数Cを加えて、
S(x)+C
(Cは積分定数)とあらわす関数を再定義した不定積分にする。
再定義された不定積分は、全ての原始関数を包含する関数となる。また、積分定数Cの値によって関数の値を自由に増減できる扱いやすい関数になった。 

(注意)再定義された不定積分と積分定数Cについての注意事項は、ここをクリックした先のページを参照のこと。

(6)不定積分は、1つながりに連続な関数になる。
 不定積分は、連結した定義域で1つながりに連続な関数です。これは、積分可能の条件を緩めた広義積分であっても変わり無く、逆に、不定積分が1つながりに連続する範囲を、広義積分における積分可能な範囲にしています。

(7)連結区間で1つながりに連続なグラフの関数f(x)の不定積分F(x)は、その連結区間で1つながりに連続、かつ、微分可能で、F’(x)=f(x)になる。
ここで、任意の値の積分定数Cを不定積分に加えることで、F’(x) = f(x)になる関数(原始関数)を全て含んだ関数として不定積分が定義されている。
不定積分の、積分する区間a→xでの積分の起点のaの値を任意に変えるだけでは、積分の値を任意の大きさまで変える事ができない場合がある。その問題を補って、任意の値の積分定数Cを加えることにし、原始関数も包含するように不定積分の定義が修正されている。)


(8)不定積分は、微分したとき、大部分のxで被積分関数f(x)と一致する。有限個の点で、微分がf(x)と一致しないでも良い。それらの点でのf(x)の値が無限大で無い有限の値の場合は、その点の積分への寄与が0であるからである。
 不定積分F(x)の微分がf(x)と一致しない点は、例えばF(x)が折れ曲がり微分不可能な点などである。
(9)不定積分F(x)は、連結区間を定義域とする1つながりに連続な関数の真の原始関数を複数、y方向に平行移動させて連続につないで作る事ができる。

(ここをクリックした先のサイトに不定積分の定義についての以下の注意がある)
「原始関数のことを不定積分と呼ぶこともあり、「不定積分」なる用語の定義は統一されていない。

したがって、「不定積分」なる用語を用いる場合には、それが何を指しているのかを、筆者自身で読者に対してその都度つまびらかにしておく必要がある。このあたりの事情については、小平『解析入門I』165を見よ。


-----【積分の特徴】---------
 積分は、関数f(x)のグラフの面積を求める計算です。グラフの多くの部分の総和の面積を求めるものです。そのため、グラフの微小な一部分の過不足があっても総体の面積に対する影響はわずかです。例えば、グラフの1点の値f(0)が何であっても(ただしf(0)が無限大で無ければ)、総体の面積に対する影響は0であると言えます。
 そのため、積分では、グラフの微小部分には注目しないで不定積分F(x)を計算します。

 そのため、被積分関数f(x)の不定積分F(x)が、以下のような物であっても、問題にしません。
例えば以下の式の様に、
x=0で不連続な関数f(x)について:
(例えば、f(0)=0,x>0でf(x)=1)
大学以上になると、閉区間の端点x=0において、不定積分F(x)の右微分係数F’+(0)が存在すれば、それをその端点x=0の微分係数であると定義しています。

上の例の不連続関数f(x)の不定積分F(x)の場合は、
F’+(0)=f(0+)(=右側のf(x)の極限)=1
でF(x)の端点x=0での微分係数の値が1になります。
しかし、その微分係数は、元の関数f(0)=0にはなりません。
そのため、得られた、0≦x≦2を定義域とする不定積分F(x)は被積分関数f(x)の原始関数ではありません。
(ただし、原始関数の定義域を狭くすれば、0<x<2を定義域とした関数F(x)はその定義域のf(x)の原始関数である事に注意すること)

積分の本質)
 しかし、このことが問題だと考えるのは、積分の本質から外れた発想です。
積分の目的は、不定積分を求める事であって、原始関数を求める事では無いのです。

本当の数学では、使えそうに思った原始関数を試しに微分してf(x)の一部分と比較して、一部分が一致すれば、
その一致した部分を定義域にした原始関数を不定積分F(x)の一部分の定義域に使って、不定積分F(x)の全体の定義域の関数を求める助けにしているだけなのです。

積分の特徴は、
不定積分F(x)の微分によってf(x)の1点であるf(0)が再現できないという不定積分であっても、その不定積分F(x)を使って被積分関数f(x)の定積分を計算するには支障がありません。
そういう不定積分の関数F(x)をf(x)に対して求めるだけで充分なのです。
 

そういう、微分して変数x=0という
1点のf(0)が得られないが、その他の大部分のxでf(x)が微分によって得られる元になる不定積分F(x)を求めれば、それで良いのです。

上図のグラフのf(x)の積分をしようとして、原始関数が得られないから答えが出ないというのは、あまりにお粗末な解き方と思います。
上図のf(x)の原始関数が得られなかったのでは無く、f(x)の定積分に使える不定積分F(x)の解が得られたのです。

不定積分F(x)は、いわば実用的原始関数と呼んで良いと考えます。

なお、原始関数F(x)の定義は、連結区間を定義域にする関数であって、F’(x)=f(x)となり、
その連結区間の全てのxにおいてf(x)が存在する関数です。

しかし、実用的な原始関数と言える不定積分F(x)は、上の式が大部分のxで成り立つだけで良く、端点などのf(x)の連続で無い点では成り立っていなくても良いのです。そのため、F(x)の微分によってf(0)が求められ無くても実害がありません。
 求めるべきなのは不定積分F(x)(=実用的原始関数)です。そのF(x)の定義域の大部分のxでF(x)の微分がf(x)になれば良く、積分への影響が0である数点のf(x)の値との不一致は無視します。


 大学生以上では、以下の様な拡張された微分の定義が使われます。
区間で1つながりに連続な関数F(x)を閉区間の端点で微分可能とする拡張された微分の定義が、
小平邦彦「[軽装版]解析入門Ⅰ」の112ページに記載されています。
「閉区間の端点で関数F(x)が片側微分可能であれば、その片側微分を端点での微分係数と定義しています」

実際、端点以外ではf(x)を再現できるという確認ができた不定積分F(x)が、閉区間の端では、この定義の微分により、連続関数f(x)のf(0)も再現できる。
f(x)が連続関数である場合に限って、不定積分F(x)が原始関数であるという説明がされています。


 この微分の定義「端点で関数F(x)の微分を片側微分係数で定義する」は大学生以上で使われています。
------積分の特徴おわり-------------

 微分積分学の基本定理によって、関数f(x)が連結区間のa≦x≦b上で1つながりに連続であるならば、
不定積分関数S(x)やF(x)が、f(x)のその範囲内の積分で計算する事で求められる事が保証されています。
 そうして計算して得た不定積分F(x)を使って、
被積分関数f(x)が連続である範囲のa≦x≦bでの定積分を、
F(b)-F(a)で計算できる事が保証されています。

 微分積分学の基本定理の登場により我々に注意が喚起されたメッセージは、
『関数f(x)の積分を計算しようとする場合には、その積分区間における関数の性質(連続である等)を調べなければならない』
というメッセージです。
不定積分を用いて定積分を計算する演算の際に、その定積分積分区間における関数の性質を調べる事を欠かしてはならない、というメッセージです。

積分可能な例1)
 関数を積分する区間は、
a≦x≦b
というように、その積分区間の両端が存在する区間積分します。
すなわち、
a<x<b
というような、両端が存在しない区間では積分しません。
 例えば、以下の図の、x=0で連続で無い関数f(x)は、その連続で無い点以外の変数xの連結区間内で1つながりに連続です。その連結区間内で、この関数f(x)が連続関数であると定義されます。
積分が可能な範囲)
上図の関数では、
x=0の近くの、0<x≦bの範囲内のx=δの点から積分し、例えば、
δ≦x≦b
の範囲で積分します。

(注意)連続関数とは、ある関数f(x)の変数xの所定の範囲内で関数f(x)が連続である、という関数f(x)の範囲のことです。

積分できない例)
 上図の関数の事例では、x=0の点では関数f(x)の値が-∞になり、関数が定義されていないで、関数が不連続です。そして、この関数では、x=0を含んだ範囲で積分することはできません。被積分関数は、1つながりに連続している関数を1つの単位にしているからです。
上図の関数を、上図の様にx=0を含む区間で定積分したら、マイナスの無限大になるので、積分が不可能です。
上図の関数を、例えば-1から1までの区間積分する事も不可能です。

これを無視して、関数f(x)の連続で無い点を定積分の範囲内に入れてしまうと以下の間違いをおかします。
F(x)=1/xをxで微分したら

になる。
この関数
は、x>0とx<0との範囲の2つの単位の被積分関数になります。そのため、それぞれの範囲内での積分しかできません。xが-1から1までの区間で、
  F(1)-F(-1)=1-(-1)=2
という 計算で積分すると、明らかに間違えます。


高校で教えられていない必須作業の、関数f(x)が定積分区間で連続か否かのチェックをしないで、
積分の計算をすると、上の計算の例の様に、
間違った答えになります。 

 なお、微分積分学の基本定理に記載されている、
という式で定義された関数S(x)は不定積分であって、1つながりのグラフになります。
実際、被積分関数

に対して、上の式により:
a>0の場合には、x>0の範囲の定義域だけの関数
S(x)=1/x, (x>0)

だけが得られます。この定義域で1/xは1つながりの連続関数です。
a≦b<0の場合には、x<0の範囲の定義域だけの関数
S(x)=1/x, (x<0)
だけが得られます。この定義域で1/xは1つながりの連続関数です。

a=0の場合には、S(x)が計算できません。
この積分の式で定義される(定義可能な)不定積分

は必ず1つながりに連続な関数です。

(不定積分に積分定数Cを加える事)
 不定積分S(x)の値は、積分の起点にする変数値aをどの値にするかによって、所定の定数Cが足された値にシフトする。
ここで、関数f(x)が:
f(x)=0
という場合を考えます。
この関数f(x)を、
f(x)が定義されている区間における、
a≦x≦b
の範囲で、aの値を変えて、S(x)を計算してみます。
すると、常に、
S(x)=0
となってしまい、この計算で得た不定積分には、aを変えても値が変わらず、積分定数Cのような値のバラエティがあらわれません。

不定積分の定義(5)では:
全ての原始関数を不定積分が包含するように、不定積分の定義を拡張する。
そのため、不定積分は、
 f(x)=0
の場合であっても、
S(x)に積分定数Cを加えて、
S(x)+C
(Cは積分定数)とあらわす関数を、
不定積分と定義し直します。

 こうして、不定積分は、全ての原始関数を不定積分が包含するように、最初に定義した関数に積分定数Cを加えた関数に拡張されています。

再定義された不定積分は、積分定数Cの値によって関数の値を自由に増減できる扱いやすい関数になった。 
(定義5の説明おわり)

詳しくは:「不定積分の積分定数Cの扱い」のページを参照のこと。

 (積分定数Cの扱い)
 このように、不定積分が定義5で再定義されていますが、不定積分の正しい計算は、定義5で再定義された不定積分を、その前の純粋な不定積分
に戻して考えた場合にも成り立つ計算が正しい計算であると考えます。

不定積分の再定義(5)の副作用として生じた以下の誤りに陥らないように注意する必要があると思います。

 不定積分同士の引き算:
として、F(x)-F(x)=Cとして解く解き方がしばしば使われています。
しかし、それは、誤った解き方だと考えます。
不定積分同士の引き算の式:
は、公式と言うよりは、不定積分の計算のあいまいさを表す式と考えます。この式を使わないで解く解き方、すなわち、F(x)-F(x)=0として解く解き方が、正しい解き方であると考えます。

F(x)-F(x)=Cとする式は、
一旦は、不定積分の計算のあいまいさゆえに、計算が分からない事を表現したものと解釈します。
 計算が分からないので、F(x)-F(x)=Cとした式を得ただけと考えます。

その式が得られたら、
0=F(x)-F(x)=C
という正しい等式を成り立たせるために、C=0にし、不定な値Cを確定させるべきと考えます。

0=C,かつ,C≠0
とするような矛盾を持ち込むべきでは無いと考えます。

そのため、以下の様な計算は間違っていると考えます。
以上の計算では、計算の途中で(等式を成り立たせる)不定積分の解釈を変えて、その値を変えてしまっているので、間違いであると考えます。

 そもそも、不定積分を部分積分で計算するときには、以下に示す、正確な部分積分の公式を使わなければなりません。

ここで:

(注意)この式1が正しい部分積分の公式ですが、普通は部分積分の公式に付随する第1の積分定数C1は省略して書かない(この第1の積分定数C1は、残った不定積分の項を積分したときに出て来る第2の積分定数Cとは異なるものです)。しかし、問題を正しく解くためには、この公式の第1の積分定数C1を省略できない。

積分定数Cの扱いの説明、おわり)

積分可能条件の注意)
 高校生が覚えておくべき積分可能条件は、
関数f(x)が1つながりに連続な範囲内で積分するならば積分可能性が完全に保証され、
そうでないときは間違った答えが得られる事がある事 
を覚えておいてください。

 なお、微分積分学の基本定理積分可能性を完全に保証する条件であるf(x)が積分区間で連続でなければならないという条件は、緩める事ができ、f(x)の不定積分F(x)が1つながりに連続であるだけで良いということが分かっています。(これについては後で詳しく説明します)

 原始関数を用いて定積分を計算する演算の際に、その定積分積分区間における関数の性質(原始関数F(x)の連続性、又は、被積分関数f(x)の連続性)を調べる事を欠かしてはなりません。原始関数F(x)の連続性を調べるという事は、その関数F(x)が不定積分であるか否かを調べているのです。

(必ずある間違い)
以下の関数の不定積分があります。
この被積分関数が1つながりに連続な範囲は、
x>0 か、
x<0 か
の2つの範囲です。
単に(1/x)と表した被積分関数は2つの連続関数をいっしょくたにしてしまっています。
各連続関数毎に、別々に不定積分して関数の解を得なければなりません。
不定積分の解は、それぞれの連続関数に応じて2つあり、上記の式のように2つの式で表さなければなりません。
 しかし、高校数学では、その2つの不定積分を以下の式で1つの式で表して教えています。
 これは、2つの別々の連続関数をいっしょくたにした関数なので、もはや1つながりに連続な関数では無く、不定積分ではありません。
不定積分は1つながりに連続でなければなりません。
明らかな間違いですが、これが「不定積分を求めよ」という問題の解として教えられているので要注意です。

(大学生の正しい解答)
表現の煩雑さを避けて、
(解答おわり)

この式の右辺は不定積分では無いので、その式をF(x)と表して、それを定積分に適用して、
-1から1までの定積分として、
F(1)-F(-1)
を計算するのは間違いです。
(高校生は、上記の間違った不定積分を教わり、それを、上記の、不定積分と定積分の関係式に代入して間違った答えを得ます。高校生は(先生にも)、どこが間違っているか分からず、微分積分が分からなくなる高校生が多いのではないかと思います。) 

積分結果が1つながりに連続している正しい不定積分のグラフが連続するxの範囲のみ、が定積分が可能な範囲です。

(関数が1つながりに連続な範囲で積分可能な例) 
以下の図の、1つながりに連続な関数f(x)を考えます。

この関数f(x)の不定積分として以下の関数F(x)が考えられます。

この不定積分F(x)の求め方は:
x>0での関数f(x)の原始関数を求め、
x<0での原始関数を求め、
2つの原始関数を、独立にY方向に移動させて連続するようにつなぐ事で
総体の、上の図の不定積分F(x)が求められます。
 この不定積分F(x)をxで微分すれば、xがどの値であってもf(x)になるので、この関数F(x)は関数f(x)の原始関数でもあります。この関数f(x)が1つながりに連続な範囲のx=aからbまでの定積分は、
不定積分F(x)を使って、
F(b)-F(a)
で計算できます。

(研究課題)
ここで、
関数f(x)が、
の場合に、
その変数xの
x=−∞の点とx=∞の点が1点であって、
その点で変数xの区間が連結しているものと定義する。
そして、x→0の点は、変数xの連結区間の端点とした、
変数xの連結区間を定義する。

そして、関数f(x)は、
x→ ±∞の点で値f(x)=0であるので、その点でも連続していると定義し、
x→ ±∞の点を含む連結区間で1つながりに連続した関数であると定義できます。

(その様に、2つの関数をx→ ±∞の点で連結して1つの関数にすることは、置換積分法などで関数の変数を変換する場合に、自然に起こり得る事です。)

この関数f(x)の、
a<0と、
b>0との
2点の間の定積分を、
不定積分F(x)を使って、
F(b)-F(a)
という値であらわすと、
その定積分は以下の様に定義できます。

先ず、
x=aの点から、x=−∞まで
f(x)を定積分して、
続けて、
x=−∞の点から、x=bの点まで、
f(x)を定積分する。

すなわち、そのように、変数xのx=aからx=bまで連結した区間の経路で関数& f(x)が積分でき、
その経路の積分範囲で定積分した値が、
F(b)-F(a)
であると定義できます。

すなわち、
x=0をまたいで積分したりせずに、
x→ ±∞の点を経由した
迂回した経路で積分した積分結果が、
F(b)-F(a)
であると解釈します。

そう解釈するならば、
F(b)-F(a)は、
積分の値を正しくあらわしています。

 このように、関数f(x)の定積分を、連結区間内からはみ出す部分がない経路で積分した値であると認識すれば、
F(b)-F(a)は、
その定積分の値を正しくあらわす式であると解釈できます。
 定積分を計算する演算の際に、その定積分が可能な積分区間が、被積分関数f(x)の値が有限値であるxの点を連結した区間に限られると認識するのが良いと分かりました。
(なお、その連結区間で、不定積分F(x)は1つながりに連続な関数になっています。) 
(研究課題おわり)

積分が完全に保証される積分可能条件の外で行う例)
 微分積分学の基本定理における積分可能条件(関数f(x)が積分範囲内で1つながりに連続な関数でなければならない)にあえて違反して行う以下の積分では、被積分関数f(x)がある点で連続な連続関数である場合と、その関数の1点の関数値が存在しない(あるいは0等の値になる、その点では不連続な関数である)場合とが区別されずに、その範囲を積分した不定積分が同じ1つながりに連続な関数になる。

積分可能な例2)
以下の図の関数f(x)のグラフを考えます。

この関数は、x=0の点での極限とx=2の点での極限が存在しません。
x=0の点とx=2の点で関数は不連続であり、また、極限も存在しませんが、
-1≦x≦3
の閉区間をリーマン積分により小区間に細分した各小区間での関数の値の和が一通りに定まるので、その連続で無い点を範囲内に持つ区間で(1つながりに連続な連続関数ならば必ず積分できるという積分保証範囲の外で無理やりに)あえて積分すると積分可能です。
この関数f(x)を積分して、以下の図の不定積分の関数F(x)を求めることができます。

(原始関数を利用した不定積分の求め方)
 この不定積分F(x)の求め方は、上図の関数f(x)の:
-1<x<0の区間のf(x)に対する原始関数 F(x)=0と、
0<x<2の区間のf(x)に対する原始関数 F(x)=xと、
2<x<3の区間のf(x)に対する原始関数 F(x)=C2とを求め、
それらの原始関数をY方向に平行移動して連続につなげば、以下の1つながりのグラフの不定積分F(x)が出来上がります。

この不定積分F(x)を微分して下図のグラフの関数を求めます。
x=0とx=2の点ではグラフが折れ曲がっているので微分できません。

この不定積分F(x)を微分した結果の導関数(dF(x)/dx)は、x=0とx=2で関数値が存在しないという点で、関数f(x)と異なる関数になるという特徴があります。

 原始関数の定義の発想の順番は、F(x)を先に考え、次にf(x)を考えるのです。
(先ず、連結区間を定め、その連結区間内で1つながりに連続した原始関数F(x)を考え、次に、それを微分して関数f(x)が得られ、結果として得られたf(x)の原始関数がF(x)であると呼ぶのです。)

 この発想の順を逆にしてf(x)に不定積分の関数F(x)を対応付ける写像変換を定義する事はできます。
 上の図で得た導関数(dF(x)/dx)は、x≠0とx≠2の範囲でのみ定義されている関数です。そのグラフはf(x)とは、変数x=0とx=2の点だけが異なります。

 この導関数(dF(x)/dx)のグラフを再度積分したらどうなるでしょうか。
その積分結果は、再び同じ不定積分F(x)が得られます。
 (ただし、関数値f(x)が定義されていないx=0と2の点では、そのxの値の近傍までf(x)を積分して、その積分極限値をx=0の点等での積分値に拡張する積分をしました。)

変数x=0での点とX=2での点の有無で異なる2つのグラフ、すなわちf(x)と、導関数(dF(x)/dx)を積分したら、同じ不定積分F(x)が得られました。
そのため、被積分関数f(x)に積分結果の不定積分F(x)を対応させる写像変換は、
2個以上の関数の、f(x)と(dF(x)/dx)とに1つの不定積分F(x)を対応させる、
複数対1の写像であると考えられます。

(注意)
 ちなみに、微分不可能な点がある関数F(x)は真の原始関数ではありません。(真の原始関数は必ず1つながりに連続で、すべての点で微分可能な関数です。また、所定の定義域の関数f(x)では原始関数が無くても、定義域を狭くした範囲では原始関数がある事も忘れないよう注意してください。)
 上の例の不定積分F(x)、

すなわち、x=0の点とx=2の点で折れ曲がって微分不可能な点を持つ関数F(x)は、
関数f(x)からx=0の点とx=2の点を除外した関数が微分の結果で得られる不定積分です。
この不定積分では原始関数より広い範囲の関数が扱え、上図のようなグラフの面積を求めることもでき実用的です。

(厳密に考える1)
 ここで、厳密に考えると、
不定積分F(x)を微分すると、x≠0とx≠2の範囲でのみ関数値がある導関数(dF(x)/dx)が得られました。そのため、関数F(x)は、x≠0とx≠2の範囲でのみ定義されている導関数(dF(x)/dx)の不定積分でもあります。
一方、x=0で、f(0)=1であり、x=2で、f(2)=1である最初の関数f(x)は、不定積分F(x)の微分によっては、x=0での点とx=2での関数値が得られません。
しかし、f(x)を定積分するために利用する関数としては、この不定積分F(x)で十分です。

小平邦彦「[軽装版]解析入門Ⅰ」の182ページにも、不連続な関数f(x)の広義積分不定積分F(x)が1つながりの連続関数で得られることが書いてあります。
 また、 F(x)を微分して不連続な関数f(x)が得られる原始関数F(x)もあり得るが、それは、原始関数F(x)が微小に振動している場合という限られた場合だけです。
小平邦彦「[軽装版]解析入門Ⅰ」の126ページには、
上図の様に、普通の連続で無い点を持つ関数f(x)の不定積分F(x)につては、その連続で無い点のx=0やx=2の点では、そのxの値で微分できないと書いてあります。
すなわち、上図におけるx=0やx=2の点のように有限の値の高さに段差を持つ連続で無い点を持つ関数f(x)には、その連続で無い点で微分できる原始関数F(x)は存在しないと書いてあります。
 その様に原始関数が無くても不定積分が存在することが、小平邦彦「[軽装版]解析入門Ⅰ」の182ページに書いてあります。
不定積分F(x)においては、その不定積分F(x)を微分した関数が、被積分関数のf(x)からx=0やx=2という有限個の点を除いた大部分の点で関数f(x)と一致するだけで良い事が書いてあります。

 そのように、原始関数の場合は細かい注意が必要でしたが、広義積分を含めた不定積分の場合は、堂々と、不連続な関数f(x)の多くが積分可能であり不定積分F(x)を持つので、細かい注意に神経を使う必要も無くなり、積分がやり易くなりました。


(厳密な考察2から4)
 下図の3つの被積分関数f(x)の不定積分F(x)は同じ関数になります。これを以下で考察します。

(厳密に考える2)上図の左上の場合
0≦x≦2の定義域でのみ定義され、その定義域内で常にf(x)=1となる関数f(x)を考えてみます。
この関数f(x)は閉区間で1つながりに連続な関数です。
この関数f(x)を積分して得た不定積分F(x)は、
0≦x≦2の閉区間の定義域で定義される、F(x)=x
という関数になります。
1つながりの連続関数であるF(x)は、その端点x=0とx=2では、片側微分係数微分係数が定義され、x=0とx=2との点ではF'(x)の値があります。例えば以下の式の様に:

不定積分F(x)はf(x)の定義域の端のx=0で片側微分可能です。
x=0でもx=2でも、f(x)=1である関数f(x)は、不定積分の関数F(x)の片側微分によって得られます。
そのため、この不定積分F(x)は、f(x)の全ての関数値をF’(x)の結果として与える原始関数です。

(厳密に考える3)上図の右上の場合
0≦x≦2の定義域でのみ定義され、その定義域内で、
x=0で   f(x)=0
0<x<2で f(x)=1
x=2で   f(x)=0
となる関数f(x)を考えてみます。
その関数f(x)を積分して得た不定積分F(x)は、
0≦x≦2の定義域で定義される、F(x)=x
という関数になります。
この不定積分で得た関数F(x)は、
f(0)=1となる関数f(x)の不定積分で得た関数と同じ関数になるので、f(0)=0という情報が失われた関数である事が明らかです。
このF(x)からは、f(0)の値=0が再現不可能である事が明らかです。
F(x)は、定義域の閉区間の端点で片側微分可能で、端点x=0とx=2での微分係数=1が計算できますが、その値は、f(0)及びf(2)とは異なります。
このように、不定積分F(x)の微分によっては、x=0での点とx=2でのf(x)の値は得られません。この不定積分F(x)は、不連続な関数f(x)の全ての関数値をF’(x)の結果として与える原始関数ではありません。
 このF(x)をこの例の不連続な関数f(x)の原始関数と呼ぶのは不正確ですが、このF(x)はf(x)の不定積分である事には間違いありません。

(厳密に考える4)上図の左の場合
0≦x≦2の定義域でのみ定義され、その定義域内で、
x=0で   f(x)=2
0<x<2で f(x)=1
x=2で   f(x)=2
となる関数f(x)を考えてみます。
その結果は、(厳密に考える3)と同じ結果になります。

積分可能性が保証される条件とは)
 上図の場合では、関数f(x)が不連続な点があっても積分できました。これは、以下の条件を満足したからです。
関数f(x)が積分可能な条件は、

関数f(x)の積分区間で、f(x)の不定積分F(x)が連続であることです。
関数f(x)を積分する区間は、不定積分F(x)が1つながりに連続な範囲の、例えば、
a≦x≦b
という区間積分が可能です。

(この様に不連続関数f(x)にも積分可能性が保証される条件については後で説明します。)

(不連続関数f(x)の無理やり積分と、その微分の例)
 関数f(x)を:
変数xが整数の点では関数値が存在せず、
変数xが整数以外の点では値が1、
である不連続関数とします。

(上図において、関数f(x)の連続で無い点である、変数x=整数での関数f(x)の極限値を、その変数xの位置での関数f(x)の値にして連続で無い点を除去すれば、関数f(x)=1となる連続関数になります。)
 この不連続関数 f(x)のグラフを積分したら、
1つながりに連続な不定積分 F(x)=xが得られます。

ここで、関数値f(x)が定義されていないx=0の点等では、そのxの値の近傍までf(x)を積分して、その積分極限値をx=0の点等での積分値に拡張する積分をしました。

この不定積分F(x)=xを微分したら、
連続関数であるf(x)=1が得られます。
この不定積分F(x)=xは、それを微分して得られた関数f(x)=1の原始関数です。

 上図のf(x)及びf(x)を積分した結果の不定積分F(x)では、被積分関数が連続関数f(x)である場合と、その連続関数のxが整数の点の関数値が存在しない(あるいは0等の値になる)不連続関数f(x)である場合と、が区別できません。
この様に、積分すると、被積分関数の連続で無い点の情報を失った不定積分F(x)が得られます。

積分可能な例3)
(注意)
 原始関数のF(x)が連続で微分可能でF'(x)=f(x)であっても、f(x)が連続関数になるとは限らないことに注意が必要です。F(x)が連続で微分可能であっても微小に振動している場合があるからです。
 以下で定義する原始関数F(x)を微分して得た関数f(x)は、
F(x)の微分で作られたので、積分可能です。
(F(x)の定義)
x≠0の場合:

x=0の場合: F(0)=0,

導関数f(x))
この原始関数F(x)はx≠0の場合も、x=0の場合も、微分可能で、
その導関数f(x)は、以下の式であらわせます。
x≠0の場合の微分

になり、xが0に近づくと-1と1の間を振動します。
この導関数が含むcos(1/x)の関数が以下のグラフであらわす形の関数になるからです。

X=0の場合にも、F(x)は微分可能で:

というように、0になります。
このように、x=0の場合の導関数f(x)は、x=0で不連続ではありますが、f(0)=0という値を持ちます。

この導関数f(x)は、x=0で不連続ですが、x=0で関数値を持ち、積分すると原始F(x)になる、積分可能な関数です。
しかも、その積分結果の原始関数F(x)を微分すると、元の、x=0で不連続な関数f(x)が得られます。

積分可能な例4)

上のグラフは、不連続な関数f(x)のグラフですが、無理やり積分して積分可能なグラフの例を示しています。

 上の図の関数f(x)がリーマン積分可能なのは、変数xの全区間の部分区間毎です。
第1の部分区間
-∞<x<A
第2の部分区間
A’<x≦C
(点Aで関数は不連続であり、また、極限も存在しませんが、
-∞<x≦C
まで合わせた区間でも、関数の区間を細分した各小区間での関数の値の和が一通りに定まるので、その連続で無い点Aを範囲内に持つ区間でも積分可能です。)

(点Bでは、関数が無限大になるので積分ができません)
第3の部分:
D≦x<+∞

(注意1)
 リーマン積分では、点A’から点Dまで、関数f(x)の値が無限に大きくなる点Bを範囲内に持つ区間で関数f(x)を積分することができません。
その理由は:
無限に関数値が大きくなる点Bを積分の範囲内に持つと、その点Bを中に持つxの小区間で、
細分の幅Δxがどれだけ小さな値であっても、
(1/Δx)≪f(ξ)
となる関数値f(ξ)を選ぶことができるからです。

そういう関数値f(ξ)を選んでしまうと、関数値の総和が定まらなくなってしまうからです。

(注意2)広義積分
 しかし、上図の関数f(x)は、B点の左側の区間で、X=A’からx=Cまでの積分の値の、Cを無限にBに近付けた極限の有限の値を持つものとします。
また、B点の右側の区間で、X=DからX=+∞までの積分の値の、Dを無限にBに近付けた極限の有限の値を持つものとします。
「そのように左側の区間のC点及び右側の区間のD点をB点に近付けた極限での積分の値が存在するならば、
B点の左側の区間積分値と、B点の右側の区間積分値の和を、点Bを範囲内に持つxの区間での積分とする(広義積分)」
と言うように、関数f(x)の「積分可能性」の定義を拡大することができます。

また、グラフが積分可能な範囲は、変数を置き換える置換積分によって、変数を変え、被積分関数の形を変えると、
積分可能な範囲が変わることがあります。

例えば、
関数f(x)≡1/ -x
は、xが-1から0未満の数までの範囲で積分可能ですが、
xが-1から0までの範囲では、x=0に近づくと被積分関数の値が無限に大きくなるので積分可能ではありません。


しかし、
新たな変数t≡- -x
を使って、変数tで積分する式に変換する(置換積分)と、
以下の図の様に、被積分関数が定数2に変換されます。
そのため、その場合は、 xがー1から0までの範囲に対応する、
tが-1から0までの範囲で、「積分可能」に変わります。
そのように、積分可能な変数の範囲は、変数を変換すると変わることがあります。 

また、この関数f(x)に対して以下の図のグラフの不定積分F(x)を考えてみます。
不定積分の求め方)
 この不定積分の求め方は、上図の関数の部分毎に原始関数=不定積分F(x)を求め、それらの不定積分を、連続になるようにつなげば、以下のグラフのように、総体の不定積分が出来上がります。
定義域x<0の関数f(x)の原始関数の-2 -x と、
定義域x>0の関数f(x)の原始関数2
を独立にY方向に平行移動させて、x=0で連続につないで不定積分を求めます。
 この不定積分F(x)は、不定積分が、被積分関数F(x)の定義域のx<0だけで定義されることになるのが気持ち悪かったので、被積分関数f(x)のx>0の範囲を勝手に定義して、その全体の不定積分を作りました。関数f(x)の部分毎に作った原始関数を、連続につないで総体の不定積分を作りました。


このグラフの不定積分F(x)を微分してみます。

この不定積分F(x)は、1つながりの連続関数であって、
また、x=0以外の点で微分するとf(x)になります。
この不定積分F(x)が1つながりに連続な変数xの範囲では、関数f(x)が積分可能です。
(その理由は、以下で、藤原松三郎の「微分積分学 第1巻」を解説して説明します)

そして、関数f(x)の定積分は、
不定積分F(x)が1つながりに連続な範囲の:
a≦x≦b
区間では定積分でき、その定積分の値は:
F(b)-F(a)
で計算しても良いです。
関数f(x)が積分可能な条件は、f(x)の不定積分F(x)が、f(x)の積分区間において1つながりに連続である事です。

このように、積分可能の条件が広くされました。


----(補足)------
また、-1≦x<0で定義された
関数f(x)≡1/ -x
の定積分を計算する場合に、上図の不定積分F(x)の他に以下の図の様に不定積分F(x)と、それを微分した関数f(x)を考えて、それらの定義域を、元の関数f(x)の定義域にまで縮小して考えても同じことになります。
 つまり、被積分関数f(x)のx>0の範囲に接続する勝手な関数を別の関数に変えて、その全体の不定積分を作りました。関数f(x)の全体の定義域の部分の定義域毎の原始関数を、連続になるようにつないで総体の不定積分を作りました。

この関数F(x)は、x=0で連続な1つながりな連続関数です。
この関数F(x)を微分すると以下の関数f(x)になる。

そのため、F(x)は、そのf(x)の不定積分です。
この不定積分F(x)の定義域を、
x≦0
にすれば良い。


 ここで、x<0で定義される被積分関数f(x)に、x>0で定義される勝手な被積分関数f(x)を加えて、被積分関数f(x)を、その定義域を広げた異なる関数に変えて、その全体の不定積分F(x)を作りました。そして、最終的に、その不定積分の定義域は削除するので、X>0の定義域の不定積分は、気休めに加えたものにすぎません。
 ただし、いずれの作り方で作るにしても、不定積分F(x)の定義域はx≦0にでき、被積分関数f(x)の定義域はx<0ですので、不定積分F(x)の定義域の方が被積分関数f(x)の定義域よりも広く作れました。 
----補足おわり--------

これらの事については、数学者の藤原松三郎の「微分積分学 第1巻」が、
連結区間a≦x≦b内で定義される関数f(x)が、その連結区間内に有限個の連続で無い点を持つ関数f(x)である場合に、

その区間a≦x≦bでのf(x)の積分を広義積分と呼び、
関数f(x)の不定積分F(x)が求められて、
関数f(x)の積分範囲
a≦x≦b
内で不定積分F(x)が(端点では片側連続である)1つながりに連続な関数ならば、

(その積分範囲内にF(x)が微分不可能な点、それは被積分関数f(x)が連続で無い点、があっても良い)、
(1)それは、不連続関数f(x)が積分可能である証拠であり、
(2)以下の計算で定積分を計算して良い事が書いてあります。
F(b)-F(a)
よって、
不連続な関数f(x)に対して、

その定義域を、関数f(x)の連続で無い点を除外した連結区間に分割し、
それら各連結区間毎に原始関数を計算し、
得られた各原始関数を連続につないで不定積分を構成します。
その1つながりに連続な不定積分を使って上の式で定積分を計算して良いのです。

また、小寺平治・著「はじめての微分積分15講」(2,200円)の103ページにも、このことが書いてあります。

小平邦彦「[軽装版]解析入門Ⅰ」の182ページにも、このことが書いてあります。

《(外部リンク)置換積分等の積分の計算に潜んでいる広義積分》

《(外部リンク)変な積分》


リンク: 
高校数学の目次

二重根号の外し方の4つの方法

この解答の元の問題はここをクリックした先のページにあります。

〔ページ内リンク〕
▷二重根号の外し方(方法1)
▷二重根号の外し方(方法2)
 ▷二重根号が外せない場合
 ▷簡易な計算方法
  ▷簡易公式2
▷二重根号の外し方(方法3)
▷二重根号の外し方(方法4)

【問】 以下の式の二重根号を外せ。


【注意】二重根号が外せない場合については後に説明しますので、先ずは、以下の、二重根号を外せる場合の説明を読んで下さい。

【二重根号の外し方(方法1)】
先ず、
と変形し、その右側の項の形にします。右側の項を、
 
と仮定した数xとaを求めます。

(以下の計算方針では、√3という数を含んでいない数(x)と(a)を使って表わせる場合の解だけを求める計算をします。
√3を(x)か(a)が含まざるを得なかったら、そこで計算を終わりにする覚悟をして、以下の計算をします)

この式の両辺を二乗します。
 
(x)と(a)とが√3を含んでいない数であらわされるならば、
4=a・(1+3x)   (1)
と、
がなりたつと考えることができます。
2つ目の式を更に簡単にすると、

1=ax   (2)
になります。

(2)より、
(3)を(1)に代入します。
この式から、
この式4を因数分解して解くと:
(a-1)(a-3)=0
a=1 or 3

a=1の場合を(3)に代入すると、
x=1
よって、
です。
(a=3の場合も:x=1/9になって、それを代入すると同じ答えになります) 

そのため、
になりました。

【二重根号の外し方(方法2)】
二重根号を外すもう1つの方法を説明します。
(原理について)
という形をしている2重根号は、以下の条件が成り立つ場合に外すことができます。
a=x+y   (5)
b=x・y   (6)
となるxとyを探します。
そのxとyがあれば、
 (7)
です。

となるからです。

式5と6の解のx、yを求めるということは、
-a・x+b=0   (8)
の解x、yを求めることと同じです。この式8は、式4と同じ式になります。

(具体例について)
具体的な今回の以下の問題の場合は、以下のようにして解きます。
の場合は、
と変形します。
この様に、ルートの中の式は、ルートの2倍の項を含む式に変形して、答えを求めます。
を解く場合は、
(x-4・x+3=0 (式4)を解くのと同じですが)
x+y= a=4=3+1
xy=   b=3=3・1
がなりたちますので
x=3
y=1
が見つかりました。
です。
そのため、
です。
【二重根号が外せない場合】
という形をしている2重根号は、
-4bの平方根の式が、その平方根記号を外せる場合は外すことができます。
-4b=(x+y)-4xy=(x-y)
だからです。

 すなわち、
(a-4b)の平方根=|x-y|
であり、一方、
a=x+y
だったので、この2つの式からxとyが求められるからです。

しかし、(a-4b)の平方根の式から平方根記号が外せ無いときは、先の式の二重根号を外すことができません。

【二重根号になった数のもつれをほどくだけ】
 任意のaとbの場合を考えると、
-4bの平方根平方根記号(根号)が外れる場合はまれな場合であって、
ほとんどの場合は、その根号が外せないので、二重根号を外す事ができません。
 それでは、この方法は何の役に立つのだろうか?
という疑問がわくと思います。
 その疑問に対する答えは、以下のようなものです。
「計算のもつれによって、二重根号でない数が二重根号になる場合があります。
そのように「もつれた」数の「もつれ」をほどくだけです。」
【簡易な計算方法】
公式をすぐ導き出せるようにして公式を覚えないで良い方法を以下で示します。
a=x+y,   (5)
とした式(5)の未知数xとyを、以下の式のように未知数 z だけであらわす。すなわち、2つあった未知数をzの1つだけにします。

x=(a+z)/2,
y=(a-z)/2,
これを、
 (7)’
のxとyに代入してzで表せば、
 (9)
になります。

この式9が、1つの未知数zだけで二重根号を外す式をあらわしています。
(この式9を覚えれば、公式は覚えないで良いと思います。)
式9の両辺を2乗して未知数zを求めます。
これで得られたzを式9に代入すれば、以下の公式が得られます。

または、
《簡易公式2》


です。根号の中の式に、根号の中にuがある項を持つので2重根号になっていた式は、根号の中の式に、根号の中にa-uがある項を持つ式に変換できます。
二重根号を外す計算は、この公式を使って式を書き変えているだけです。
そして、
-4b(または、a-u)の平方根の根号が外せる場合に限って、二重根号が外れます。


 なお、平方根の根号が外せる場合には、以下の場合の様に、無理数の2乗の数(自然数の2乗である平方数とは異なるが)になって平方根の根号が外れる場合もあります。


(蛇足)この公式により、上の式の右辺の、対になっている2つの二重根号の式は、上の式の左辺の1つの二重根号の式にまとめることができます。
 例えば、下の式では、下の式の左辺の2項を右辺の1つの項にまとめることができます。

ただし、この式の左辺を2乗すれば、すぐに右辺の式のルートの中が得られますので、この公式を覚えて使う必要はありません。

【二重根号の外し方(方法3)】
 4次方程式方の解き方が、二重根号付きの式を経て解に至る解き方と、二重根号を経ずに解が得られる解き方との、2つの解き方があることを利用して解きます。
 この方法は、4次方程式を解く計算でもつれさせてしまった答えの数を、もとの4次方程式に戻してから、答えをもつれさせない手順で4次方程式を解く方法です。

【簡易な計算方法】
 この計算方法から、計算の本質部分を抽出した結果、
以下の様な計算方法が見つかりました。
(1)
(2)
(3)
 (解答おわり)

【二重根号の外し方(方法4)】
方法4は、方法3に近い方法です。
以下の様にして二重根号を外します。

この式の中のxの値は式2で分かっているので、その値をこの式に代入します。

上の計算の途中で得た式3の右辺のxの係数の平方根は二重根号にはなりませんでした。
 ほかの式の場合も、同様に計算して式3に相当する式のxの係数の平方根が二重根号にならなければ、二重根号が外せます。
(解答おわり)

二重根号が外れない問題
リンク:二重根号の外し方
リンク:高校数学の目次

微分積分学の基本定理

https://schoolhmath.blogspot.jp/2017/06/blog-post_2.html
https://schoolhmath.blogspot.jp/2017/08/blog-post_17.html

(ページ内リンク先)
▽基本定理の概要
▽微分積分学の基本定理の定義
▽基本定理の定義のポイント
▽基本定理の対偶 
▽微分積分学の基本定理の正しい定義 
▽補助定理 
▽基本定理の確認 
▽基本定理の前半の証明
▽基本定理の中段の証明 
▽基本定理の後半の証明 
▽微分と積分の関係 
▽微分積分学の基本定理の拡張 

《基本定理の概要》

被積分関数の単位】
 被積分関数は、均質な基本的な要素の単位で考える。
 具体的には、被積分関数を、全て、1つながりに連続する関数を単位にして考える。1つながりに連続する関数は正しく定義された連続関数です。その、1つながりに連続する関数を扱うのであれば、積分の計算で誤りに陥る事を防ぐことができます。

微分型の)《微分積分学の基本定理
微分型で表現した微分積分学の基本定理は:
連結区間内で1つながりに連続な関数f(x)がある場合:
 が成り立つというものです。
 高校の微分積分の教科書では、この定理が当然に成り立つものとして、証明しないで使っています。
(高校の微分積分の参考書に以下の証明があります)
「駿台受験シリーズ 分野別 受験数学の理論7 微分法・積分法の基礎」
https://math.co.jp/contpgm2/w_main.php?oya_id=2&back_id=14#14
(96ページ途中から)



《補足》(この証明での重要ポイント)
 以上の証明の中で、関数f(x)がx軸上のxの点において連続関数であるという前提条件を使っている。つまり、関数f(x)が連続関数なので、hを十分小さくすれば、f(x+h)がf(x)に近づく、という前提条件を使った。

 この証明の発想の根底に、関数(グラフ)が連続であるという概念が、証明の重要なポイントになっているということに気づくことが大事だ。そこから、連続関数の性質を深く研究する、という数学の研究の焦点が絞られ、その研究の成果が、数学における極限の概念の確立などだろう。そういう、数学の根底の思想が、大学の微分積分学によって学ぶことができる。
 数学の微分積分の参考書は、大学で真実を追求する参考書以外にも、以上のように、高校数学での参考書にも、数学の発想の礎を作るために良い参考書があった。
一方、高校の微分積分の教科書は偽物で、数学の発想の礎作りに役立たないと考える。
(補足おわり)

  この式が成り立たない場合などあり得ないのではないか?と考える人もいるかもしれません。
 この式が成り立たない場合というのは、f(x)が積分出来ない場合です。そもそも積分できなければ、微分する以前に、この式が成り立たないことになります。
 また、f(x)が積分して関数F(x)が得られても、関数F(x)が折れ曲がった関数になれば、その折れ曲がり点でF(x)は微分できません。F(x)が微分できなければ、この式が成り立たないことになります。

 「関数 f(x) が連結区間内で1つながりに連続している関数f(x)が積分可能である。その積分結果の関数F(x)が、その連結区間微分可能である。そうして微分した結果は元の関数f(x)に戻る。」というのが(微分型の)微分積分学の基本定理です。
 そこには、「関数 f(x) が、ある連結区間内で1つながりに連続している」という条件が付いているのです。

ーー【区間の定義】ーー
区間」という数学用語は、変数xの数直線上の1つの範囲内の、実数のすき間がない1かたまりの数の集合をあらわす数学用語である。
《神奈川大学》【定義 14.2.4.】
 a, b を実数とする. a 以上かつ b 以下の実数をすべて集めた集合を [a, b] と書き, これを閉区 間と呼ぶ.
 a より大きくかつ b 未満の実数をすべて集めた集合を (a, b) と書き, これを開区間と呼ぶ.
----定義おわり----


a≦x≦bを満足するxの区間という表現は、a≦x≦bの範囲内の全ての実数xという意味です。
-∞<x<∞という区間もあります。
区間はxの値の範囲を限定するためのa≦x≦bという式とは意味が異なることに注意する必要があります。
 区間a≦x≦bが命題の中に記載されている場合は、その範囲内の全ての実数xについて命題を検討する必要があります。被積分関数f(x)が定義されていない変数xの点があっても、その点も、その命題が検討されるべき点の1つです。
 「区間」という用語は、特に重要な関数である連続関数の連続性を定義するために必要な、連続関数f(x)の変数xの集合体がいつも持っていなければならない連続性という重要な性質が「区間」という概念を用いてあらわされています。
 すなわち、変数xの「区間」の性質で大切なのは、
区間」のなかに変数xの値が隙間なく存在すること。
つまり所定範囲内での隙間が無い全ての実数の集合という概念が「区間」という用語で定義されています。
 例えば:
f(x)=1/xの定義域を(0,∞) (={x|xは0より大きい実数})
とすれば、f(x)は区間で定義された関数です。
g(x)=1/xの定義域を(-∞,0)∪(0,∞)(={x|xは0でない実数})
とすれば、g(x)は区間で定義された関数ではない。
(f(x)とg(x)は定義域が異なっているため、f(x)とg(x)は同じ関数ではない)

積分型の)《微分積分学の基本定理
 先ず、以下の注意をしておきます。
【注意:間違った計算の例】
以下の図の関数F(x)を考える。


F(x)=C2, (x<0)
F(x)=C1, (x>0)
例えば、C1=1,  C2=2, とする。
この関数F(x)を微分して積分してみます。
先ず、微分します。
F'(x)= f(x)=0, (x≠0)
次に、このf(x)を積分します。
 ここで、関数f(x)が、変数xが定義される範囲が、連結区間内の全ての実数であること。その連結区間内の全ての実数の変数xで関数f(x)が定義されていなければ、その関数は(変数xの定義域とセットになっているのが関数です)積分してはいけません。
f(x)=0, (x>0) は積分できます。
f(x)=0, (x<0) も積分できます。
しかし、
f(x)=0, (x≠0) は、x≠0 の範囲でx=0の点ではf(x)が定義されていないので、その点をまたいで積分してはいけません。
 もし、それを無視して無理に積分すると、
∫F'(x)dx=∫0dx=C, x≠0,
という積分になりますが、
その結果の積分定数Cをどのような値に調整しても、それは、元の関数F(x)には決してなりません。
(「元の関数F(x), (x≠0) は、変数xで関数F(x)が定義されるxの範囲が、x=0が除外されていることで、そのxの範囲(定義域)が、連結区間内の全ての実数では無い関数でした。)


 以下で、(積分型の)微分積分学の基本定理を説明します。

(1)関数f(x)を、それが連続する連結区間a≦x≦b

内で定積分(定積分はリーマン積分によって定義されます)することで関数S(x)を求めます。
その関数をxの関数(不定積分)として求めます。
その不定積分は、定積分の計算を実行する苦労をして得た結果を元にして求めます。
(2)一方で、1つながりに連続で、かつ、微分可能な関数F(x)があって、そのF(x)を微分して求めた導関数がf(x)と一致するならば、その関数F(x)がS(x)と一致する。すなわち、S(x)はf(x)の原始関数の1つである。そして、そのF(x)について、
 が成立する。というのが微分積分学の基本定理です。

すなわち、そのF(x)が、苦労して求めるべき不定積分S(x)と一致することが分かりました。

そのF(x)を原始関数と名付け、
その原始関数F(x)を使うことにより計算がとても楽になったので 感動した!
という内容が、(積分型の)微分積分学の基本定理です。

-----【原始関数の正しい定義】---------------
 (原始関数の正しい定義は、1つながりに連続で、かつ、微分可能な関数F(x)をf(x)の原始関数と定義します) 
 すなわち、関数F(x)が、連結区間a<x<bのどの点でも連続、かつ、微分可能な関数であれば、F(x)を微分して導関数f(x)が求められる。この場合に、F(x)を関数f(x)の原始関数と言う。
藤原松三郎の「微分積分学 第1巻」)
 すなわち、原始関数は連結区間における連続関数であり1つながりのグラフであると定義されています。
-------原始関数の定義おわり-----------------

微分可能の定義との関係)あと、微分積分学の基本定理の根底を支えているのが微分可能の定義です。高校数学では、微分可能の定義として、右微分係数と左微分係数が一致する場合にのみ微分可能とする定義しか与えられていません。
 それにより、変数xの閉区間(a≦x≦b)で定義された関数f(x)であっても、微分可能な変数xの値の範囲は開区間(a<x<b)になってしまいます。そのため、高校数学の範囲内の知識では、開区間(a<x<b)で定義された関数 f(x)にしか、微分積分学の基本定理が成り立ちません。
 一方、大学数学では、変数xが閉区間(a≦x≦b)で定義された関数f(x)の区間の端点x=a,bでも、片側微分係数があるだけで微分可能とする微分可能の定義も与えられています。そのため、大学数学では、閉区間で定義された関数f(x)にも微分積分学の基本定理が成り立つと教えられています。


 上図の関数f(x)と、下図の関数F(x)の間では、定義域がx>0での被積分関数のf(x)と不定積分のF(x)との間で微分積分学の基本定理が成り立ちます。ただし、F(x)はx=0の点では微分できないので、x=0を変数xの範囲に含む場合は、F(x)とf(x)の関数の組に微分積分学の基本定理が成り立ちません。



大学数学での定義はそのようなものです。しかし、高校の数学の教科書では、関数f(x)の不定積分S(x)を、f(x)の定積分に基づいて定義しないで、
関数S(x)を微分したらf(x)になった場合、
すなわち、
S’(x)=f(x)
となった場合に、
その原始関数S(x)が不定積分であるとして、
原始関数によって不定積分を定義しています。

そういうふうに定義した「不定積分
微分積分学の基本定理が成り立つように不定積分を定義した)
を、微分積分学の基本定理の「不定積分」の定義にすると、
微分積分学の基本定理の意味が不明になります。
教科書の不定積分の定義が微分積分学の基本定理そのものですので、その定義と同じ内容に見える微分積分学の基本定理を説明する意義が有りません。

 しかし、「不定積分」がそのように定義されるという高校数学の微分積分の教科書の記述は嘘です。 
不定積分は、正しくは、リーマン積分によって定義された定積分を基にして、定義されるのです。

教科書の積分の定義が嘘であるため、微分積分学の基本定理の存在意義があります。

 そもそも、積分の概念は、日本の高校の教科書が微分の逆演算で定義しているような狭い貧弱な概念ではありません。積分の概念は、数学の研究対象を微小な部分に分割して研究し、その微小部分を集積した全体にまとめ上げて全体を考えるという、適用範囲が広い概念なのです。

 高校の微分積分の教科書は分かりにくいだけで無く、間違いも含まれています。
連続関数の定義も、高校数学の教科書で間違いを教えている。 連続関数の定義は、1817年にBolzanoが中間値の定理を証明する前提条件に連続関数の定義が必要であることを明確にしてから連続関数の定義が定まった。高校数学の連続関数の定義では、中間値の定理を成り立たせない関数を連続関数と呼んでいる。その偽物の定義に基づくと、微分積分学の基本定理を理解し難くなると考える。
読まない方が良いのではないかと考えます。高校の微分積分を勉強するなら、先ず、大学生向けの微分積分の参考書を読むことを推薦します。高校2年生が勉強するのに適切な、書店で購入できる微分積分の参考書は:
「やさしく学べる微分積分」(石村園子) ¥2000円
が内容がわかり易くて良いと思います。
この本の36ページから45ページまで読めば、微分の概念から始めて合成関数の微分の公式まで学ぶことができます。

 高校生は、成人に成長する最終段階にいます。自ら研究して数学の独自分野を開拓する高校生もいると思います。高校生は数学の参考書を高校生向けの本に限定するこだわりは捨て、大学生向けの参考書も、自分に合っていると思えばどんどん吸収していく事が望ましいと考えます。

微分積分学の基本定理の定義】
関数f(x)が、変数xの実数の連結区間a≦x≦b
において連続な関数である場合を考える。
すなわち、その連結区間で1つながりのグラフであるとする。
(1)
x=aにおいてf(x)が連続であるので、関数の連続の定義に従って、
その連結区間内で関数が連続なので、
x→a でのf(x)の片側極限値と、
x=aにおける値f(a)とが等しい。
(2)
x=bにおいてf(x)が連続であるので、
bについても同様な関係がある。
(3)
 また、関数f(x)が定義されている変数xの連結区間で関数f(x)が積分可能である。
そのため、その変数xの連結区間での積分結果の関数F(x)は、その変数xの連結区間で値を持つ。
すなわち、積分結果の不定積分F(x)は被積分関数f(x)と同じ連結区間のxの定義域を持つ。
(4)
連結区間a≦x≦b
の変数xの範囲で定義されている不定積分F(x)を微分する場合に、関数F(x)の境界でも微分可能になり得るように微分の定義が修正されている。

(5)
以上で説明した定義域を持つ関数f(x)に関して、
不定積分F(x)に関して、
連結区間a≦x≦b
の範囲のxに関して以下の関係式が成り立つ。
F’(x)=f(x)
すなわち、不定積分F(x)を微分して得た導関数は、元の連続関数f(x)(その連結区間内で連続な関数f(x))と一致する。
(基本定理の定義:おわり)

微分積分学の基本定理の定義のポイント》
 この基本定理の定義のポイントは、
関数f(x)は、もとの関数が、以下の図の様に大きな定義域の中で積分できない点がある関数であっても、その関数f(x)が、ある連結区間内で1つながりに連続である場合は、関数の定義域をその連結区間内に狭める。
その様に定義域を狭めた連結区間a≦x≦bを新たな定義域にした新たな関数f(x)を考える。
このように、連結区間a≦x≦bとセットにされて定義されている関数f(x)に関わる定理であるというのが第1のポイントです。

その連結区間の外の領域:
x<aや、b<x
の点で、もとの定義域の関数f(x)が、上図の例の様に無限大になっても良い。
元の関数f(x)が無限大になるという異常な領域を除外した連結区間
a≦x≦b
に限って定義された関数f(x)が定理の対象にする関数である。
その様に、区間を限定する事で、この定理を適用できる元の関数f(x)の選択の自由度を高くしているという特徴があります。 

その様に関数f(x)が連続である連結区間で、f(x)を不定積分して、下図の関数F(x)が得られます。

(注意)上図の関数f(x)は、x=0で不連続ですが、その連続で無い点以外の図の、関数が連続な連結区間内のxで連続です。その連結区間内で、この関数f(x)が連続関数(その連結区間内で関数が連続)であると定義されます。

下図のF(x)は、連結区間a≦x≦bで定義される。
F(x)をこの連結区間微分すれば、再び、上図の関数f(x)が得られます。

《下図に各種の関数の集合の包含関係をまとめた》

【問題を解く実用性に優れた形で表現した、微分積分学の基本定理
大学1年生向けの参考書であるが、高校2年生が勉強するのに良い参考書の、「やさしく学べる微分積分」(石村園子) の106ページに書いてある形の、微分積分学の基本定理が、問題を解く役に立つ、実用性に優れています。
(基本定理の定義の開始)
 関数y=f(x)が、
連結区間a≦x≦b
上で連続とする。
(連続関数の定義域は、それが連続な連結区間以上あるということは、いつも意識していて下さい)
 関数f(x)を、それが連続する連結区間a≦x≦b
内で定積分(定積分はリーマン積分によって定義されます)することで
、以下の関数S(x)を求める。

すると、次のことが成り立つ。
(1)S(x)はf(x)の原始関数の1つの不定積分である。
(原始関数は、連結区間で1つながりの連続関数であり、その全区間内で微分可能な関数です。) 
(2)F(x)を、連結区間を定義域とするf(x)の、その連結区間内で1つながりに連続な関数である原始関数の任意の1つとすると、
 が成立する。
(定理の定義おわり)

微分積分学の基本定理の対偶】
 この定理の意味を理解するために、この定理の対偶を考えて、対偶によって定理を理解するようにします。

(基本定理の対偶(その1)の定義の開始)
とおいたとき、ある値のcとdで
となるならば、
関数y=f(x)は、
連結区間a≦x≦b のどこかで不連続である。
(対偶(その1)の定義おわり)
 この対偶が成り立つだろうかと考えると、f(x)が不連続であっても、S(x)が計算できる(積分可能である)ならば、
とはならず、
この式の左右の辺が等しくなります。
(ここをクリックした先のページを参照)
 その場合には、この式の左右の辺が等しく無いという事にはならないので、
そうなる場合にどうなるかという話自体が意味を失います。
 このことによって、この定理の対偶(その1)が成立し得ると考えたことが、意味の無い事を考える間違いであり、それでは、この定理を正しく理解していなかったことが分かりました。

 再度、この定理を正しく理解したと言える、定理の対偶を考えます。
(基本定理の対偶(その2)の定義の開始)
とおいたとき、ある値のcとdで
という計算をすることができない場合は、
が計算できず、また、関数y=f(x)は、
連結区間a≦x≦b のどこかで不連続である。
(対偶(その2)の定義おわり)

 すなわち、この対偶(その2)は、連続で無い点を含む連結区間では積分できないことがあると言う命題です。
 この命題は意味を持ちます。
 意味のある対偶が考えられたので、対偶の元になった定理も、そのように解釈すべきです。

(基本定理の正しい定義の開始)
 関数y=f(x)が、
連結区間a≦x≦b
上で1つながりに連続とする。

その条件が成り立つならば、必ず、
という不定積分S(x)を計算をすることができる。
そして、次のことが成り立つ。
(1)不定積分S(x)はf(x)の原始関数の1つである。
(原始関数は、連結区間で1つながりの連続関数であり、その全区間内で微分可能な関数です。) 
(2)F(x)を、連結区間を定義域とするf(x)の、その連結区間内で1つながりに連続な関数である原始関数の任意の1つとすると、
 が成立する。
(定理の定義おわり)
  すなわち、基本定理の意味は、その定理の命題が、S(x)の式の積分計算を可能にする十分条件(関数f(x)が連結区間で1つながりに連続である)を述べたものであることがわかります。
 この基本定理の命題が正しいか否かは、連続関数(その連結区間内で関数が1つながりに連続)が、「関数の積分を可能にする十分条件」になるか否かによって決まる。

------(補足)-------
無料でダウンロードできる大学生向けの微分積分の教科書:
微分積分学入門」(横田 壽)
(注:横田教授が芝浦工業大学を退官したため、この教科書を無料で掲載するWebページが無くなりました。この本は書店で購入できます。
の118ページ(125枚目)にも、
微分積分学の基本定理の証明を、
「定理3.7 f(x) が連結した閉区間[a, b] で連続ならば, [a, b] で積分可能である.」

の説明から始めています。
-----補足おわり---------

(注意)
 連結区間で定義された連続な関数f(x)
に対して、
1つの原始関数S(x)が求められた場合に、
その他の全ての原始関数F(x)は、
積分定数Cを用いて、
S(x)+C,
とあらわされる事が、
以下の補助定理を利用して証明できる。

(補助定理)
 ある連結区間内の実数全てのxで定義されていて、
その連結区間の全てで微分可能であり、
F'(x)=f(x)
である、原始関数F(x)があるものとする。
 被積分関数f(x)が、その連結区間においていつでも0である:
f(x)=0
ならば、
その連結区間で、
F(x)=C
である。
(定理おわり)

(証明)
 この補助定理の厳密な証明は、平均値の定理を使って証明します。
 しかし、高校生に有りがちな、平均値の定理を証明しないで(証明を知らないで)使うのは関心しません。そういうやり方は他人任せであり、自分では(平均値の定理の証明も含めた)証明の全貌が把握できず、数学センスに反します。

 ここでは、平均値の定理の証明を知らない読者のために、
平均値の定理を使わない以下の方法で証明します。
(証明開始)
F’(x)=0なので、
微分の定義から、
(F(x+Δ)- F(x))/Δ=0,
(F(x+2Δ)- F(x+Δ))/Δ=0,
ゆえに、F(x+2Δ)=F(x+Δ)=F(x),
この操作を続けると、
F(x)が微分可能なxの連結区間内では、
F(x)の値は一定値であって、
F(x)=C,
とあらわされる。
(証明おわり)

補足:
上の証明で、
F(x+2Δ)=F(x+Δ)=F(x)
とする操作が続けられるのは、
F(x)が微分可能なxの連結区間内に限られ、
F(x)が微分できない点でこの操作が止まる。

よって、
F(x)=C
とあらわせるxの範囲は、
F(x)が微分可能なxの連結区間内、
すなわち、
f(x)が定義されるxの連結区間
に限られている。


(注意)
 この補助定理のF(x)として、定数では無いカントール関数も、ほとんどの点で微分係数が0なので、使えるのでは無いかと考えるのは誤りです。
なぜならば、カントール関数は、微分不可能な点が無数にあるので、
「その導関数f(x)が連結区間においていつも0である」
という条件が成り立っていないからです。

(補助定理の利用)
この補助定理のF(x)を、
(原始関数F(x)-S(x))
であると考えると、
原始関数F(x)は、
積分定数Cを用いて、
S(x)+C,
とあらわすことができる。

微分積分学の基本定理の確認その1)
 関数f(x)が、以下の図の様に、連結区間内で1つながりに連続な場合は、その連結区間内で関数f(x)が積分可能である。

(定理の確認その2)
一方、以下の図の様に、関数f(x)が1つながりにならず不連続になる連結区間では、関数f(x)の積分が不可能になる場合がある。
そのため、微分積分学の基本定理が成り立っている、ということがわかります。

【基本定理の証明の前半】
 この微分積分学の基本定理の証明は、「やさしく学べる微分積分」(石村園子)の106ページの証明を読んで欲しい。

 その証明の前半(1)において、
関数y=f(x)が、
連結区間a≦x≦b
上で1つながりに連続とする。
その条件が成り立つならば、必ず、 
という計算をすることができる(f(t)が積分可能である) 。
という命題が正しい事は、以下の様にして証明できる。

(第1の証明)
  この、「微分積分学の基本定理の要である」積分可能性の証明は、以下では証明の概要のみを説明します。完全な証明は、大学で学ぶ微分積分学から学んでください。完全な証明が行えるためのキーワードは、一様連続性です。
(証明の概要の説明開始)
 閉区間で連続な関数は一様連続です(先ず、一様連続性の証明が必要)。すなわち、この関数f(x)をリーマン積分によって、積分区間を均等な微小領域の要素に分割した時に、分割数を多くすると、どの分割部分の微小領域内の関数値のばらつきも、一斉に小さくできる(これを一様連続と言う)。そのため閉区間で連続な関数は、分割数を多くして、一斉に、分割された微小領域内の関数値のバラツキを小さくできるので、積分の値のバラツキを小さくでき、リーマン積分可能です。
 すなわち、リーマン積分で分割数を無限大にした極限で、f(x)の値を集積した値が収束する。
よって、f(x)の値を集積した関数S(x)が計算できる。
(第1の証明おわり)

(極限では無限大に発散する点(その点には接続していないが)に向けて連続している(開区間で)連続な関数は、その開区間の領域をいくら細かな微小領域に分割しても、無限大に発散する点の近傍の微小領域内の関数値のバラツキは大きい(バラツキが無限大)です。分割して作った全ての微小領域内の関数の値のバラツキを一斉に小さくできない(一様連続で無い)関数は、積分可能ではありません。) 

(第2の証明)
 f(x)が連結な閉区間a≦x≦bで1つながりに連続な関数であれば、閉区間で連続な関数の最大値・最小値の定理によって、f(x)の値はある最大値と最小値の間の値に限られている。
 そのように、ある最大値と最小値の間の値に限られている、閉区間で連続な関数f(x)の領域を以下の図の様に2等分する。
(ただし、二等分とは言っても、分割された領域の境界点は、それぞれの領域が共有するように分割する。)
そして、分割された領域毎に、関数の最大値と最小値の差Δを考え、全分割領域での、差Δの最大値Δ2を抽出する。
関数f(x)が連続関数の場合は、その差の最大値Δ2は、分割前の領域での関数の最大値と最小値の差Δ1よりも小さくなる。
更に、各領域を2等分する。
(ただし、二等分とは言っても、分割された領域の境界点は、それぞれの領域が共有するように分割する。)
そして、分割された領域毎に、関数の最大値と最小値の差Δを考え、全分割領域での、差Δの最大値Δ3を抽出する。
関数f(x)が連続関数の場合は、その差の最大値Δ3は、分割前の領域での差の最大値Δ2よりも小さくなる。
更に、各領域を2等分する操作を繰り返し、
差の最大値Δ4、Δ5、Δ6・・・
を求めて行く。
すると、関数f(x)が連続関数の場合は、領域を分割する毎に、全分割領域での差の最大値Δnは無限に小さくなって行く。
(もし関数の最大値と最小値の差Δnが無限に小さくならない点があったならば、その点は連続では無い点である。連続関数f(x)には、そのような点は無い。) 

(一様連続性)
以上の様に、ある関数f(x)の各分割領域を更に2分の1に分割する操作をn回繰り返していき、各分割領域の関数f(x)の最大値と最小値の差(関数の値のばらつき)Δを求める。
(1)そのとき、全ての分割領域での関数の値のばらつきΔの最大値Δnが有限の値で存在すること。
(2)この操作を繰り返して分割領域を無限に小さくすると、
全ての分割領域での関数の値のばらつきの最大値Δnが、無限に小さくなって行く。
(すなわち、全ての分割領域での関数の値のばらつきがΔnより小さく、そのΔnが無限に小さくなっていく)
これが成り立つ関数f(x)の性質を「一様連続」であると言います。
 この説明は、以下の様に定義されている一様連続の言い換えです。
「どんなに小さな正の値εについても、全ての分割領域での関数の値のばらつきがε以下にできる、分割領域の小さな幅δ=(b-a)/(2^n)が存在するとき、その関数は一様連続である。」
(一様連続の説明おわり)

 その様に無限に小さい関数値のばらつきΔnによる、関数f(x)の値の総和(リーマン積分)への影響は無限に小さい。そのため、この関数f(x)はリーマン積分可能である。
(第2の証明おわり)

 これらの証明の様に、「関数f(x)が連結な閉区間a≦x≦bで1つながりに連続な関数であれば、
式S(x)であらわす、リーマン積分で計算する定積分が可能である。」
微分積分学の基本定理の証明の前半(1)おわり) 

(注意)
 この被積分関数のf(x)として、異常な関数であるカントール関数も、1つながりに連続な連続関数なので、使えます。

【基本定理の中段の証明】(1)
(1)不定積分S(x)はf(x)の原始関数の1つである。
(原始関数は、連結区間で1つながりの連続関数であり、その全区間内で微分可能な関数です。) 
(以上が中段)

(証明開始)
 この不定積分S(x)については、
正の値Δが0に近付く極限において、
S(x+Δ)-S(x)=(f(x+Δ/n)+f(x+2Δ/n)+・・・+f(x+nΔ/n))・(Δ/n)
とあらわせるので、
f(x+Δ/n),f(x+2Δ/n)・・・f(x+nΔ/n)の平均値Mは、
M=(f(x+Δ/n)+f(x+2Δ/n)+・・+f(x+nΔ/n))/n=(S(x+Δ)-S(x))/Δ
とあらわせる。
f(x)が少なくとも区間[x,x+Δ]で1つながりに連続な連続関数ならば、
正の値Δが0に近い極限では、f(x)からf(x+nΔ/n)までの値の全てがほとんど同じ値になる。そして、
f(x+Δ/n),f(x+2Δ/n)・・・f(x+nΔ/n)の平均値Mも、
f(x)とほとんど同じ値になる。
Δ→0の極限で、
(S(x+Δ)-S(x))/Δ=M→f(x)
となる。
同様にして、Δ→0の極限で、
(S(x)-S(x-Δ))/Δ=M→f(x)
となる。

これは、 S(x)の左側微分係数と右側微分係数が等しくf(x)になる事を意味する。
よって、S(x)は微分可能であって、その導関数がf(x)になる。

よって、
S(x)はf(x)の原始関数の1つである。
(中段の証明おわり)

微分積分学の基本定理の後半(2)】
(2)F(x)を、連結区間を定義域とするf(x)の、その連結区間内で1つながりに連続な関数である原始関数の任意の1つとすると、
 が成立する。

 微分積分学の基本定理の後半(2)が成り立つ事は、以下の様にして証明できる。
(証明開始)
 リーマン積分によって、微小領域の要素に分割して集積する積分F(x)の値の、分割数を無限大にする極限の値が計算できる場合は、
すなわち、微小領域の要素を集積する区間を分割して、
その分割した区間毎の要素の集積値の極限値を求める事ができる場合は:
リーマン積分積分範囲の区間を、2の区間AとBに分割して、
区間Aでの要素の集積値の極限値区間Bでの要素の集積値の極限値区間Aと区間Bを合わせた区間での要素の集積値の極限値
になる。
ゆえに、微分積分学の基本定理の証明の後半(2)が成り立つ。
(証明おわり)

「やさしく学べる微分積分」(石村園子)の106ページの形の微分積分学の基本定理を使うと、以下の定理がすぐに導き出せる。
【定理】
連結区間a≦x≦b
の範囲で1つながりに連続な関数f(x)がある場合:

連結区間a<x<b
の範囲で、
f(x)>0
ならば、
連結区間a≦x≦bの範囲で、
f(x)の不定積分F(x)は単調増加である。
(定理の定義おわり)

(証明開始)
関数f(x)が
連結区間a≦x≦b
で連続であるので、
a≦x<x≦b
なるxとxに関して、
微分積分学の基本定理により、

よって、
F(x)は単調増加である。
(証明おわり)


以下の定理があります。
【定理】
連結区間a≦x≦b
の範囲で連続な関数F(x)がある場合:

連結区間a<x<b
の範囲で、
F’(x)≡f(x)>0
ならば、
a≦x≦bの範囲で、
関数F(x)は単調増加である。
(定理の定義おわり)


平均値の定理を使って、この定理を証明しておきます。
(証明開始)
連結区間a≦x≦b
の範囲で連続な関数F(x)が:

連結区間a<x<b
の範囲で微分可能で、
F’(x)=f(x)
の場合、
平均値の定理によって、
a≦x1<x2≦b
なるx1とx2に関して、
(F(x2)-F(x1))/(x2-x1)=f(x)
となるxが、
a≦x1<x<x2≦b
に、少なくとも1つ存在する。
その範囲で、
f(x)>0
なので、
F(x2)>F(x1)
である。
よって、F(x)は単調増加である。
(証明おわり)

微分積分の関係》
 なお、全ての種類の関数における、積分前の関数f(x)と、微分前の関数F(x)との、変数xの一部の定義域での微分積分のあり得る関係が以下の図であらわせます。
(なお、F(x)として考えられる関数の、関数が連続な領域内の至るところ微分不可能な関数であるワイエルシュトラス関数等は、連続で無い点を持たないが、微分不可能です。)
(上図で、関数f(x)は、除去可能な連続で無い点を除去した関数です。関数F(x)は、関数F(x)の連続で無い点を除いた変数xの範囲でf(x)の不定積分であるとともに、f(x)の不定積分でもあります)

 上図の、f(x)とF(x)の関数のセットの例:
以下で定義する関数のセットでは、f(x)にx=xで除去不可能な連続で無い点があって、f(x)は不連続な関数(その点で関数が不連続な関数であって、その点以外の領域では関数が連続な連続関数である)です。
 しかし、この連続で無い点を持つ関数f(x)を、その連続で無い点を含む連結区間で定積分することで定義した関数F(x)が、その連続で無い点の位置xでも変数xで微分可能で、F(x)を微分すると再び連続で無い点を持つf(x)が得られます。
(F(x)の定義)
x≠0の場合:
x=0の場合: F(0)=0,

導関数f(x))
この関数F(x)はx≠0の場合も、x=0の場合も、微分可能で、
その導関数f(x)は、以下の式であらわせます。
x≠0の場合の微分
になり、xが0に近づくとー1と1の間を振動します。
この導関数が含むcos(1/x)の関数が以下のグラフであらわす形の関数になるからです。
X=0の場合にも、F(x)は微分可能で:
というように、0になります。
そのため、この導関数f(x)は、x=0で連続ではありませんが、F(x)を微分することで得られます。
この導関数f(x)は積分可能であり、積分するとF(x)になります。 

 この関数F(x)はx=0で連続な関数です。

 この様な複雑な関係の中から、比較的に扱い易い連続関数(連結区間内で関数が1つながりに連続)を使って従来の微分積分学の基本定理が定められています。

 また、大学以上の微分積分学では、積分の定義をどんどん拡張して、何でも積分できるようにして、ある関数f(x)を積分して連続で無い点を持つ関数F(x)を得ることができるようにし、その連続で無い点を持つ関数F(x)を微分して関数f(x)を得ることができるように、微分の定義も拡張するというような事も行なわれます。
 そのように微分積分の定義を拡張する入口に、微分積分の基本定理が置かれています。
 そのため、微分積分学の基本定理の:
という式の意味することは:
この公式の前提条件以外の条件によってこの式と異なる結果が得られるわけでは無く、
この式を成り立たせるように、f(x)とF(x)を対応させる規則である微分積分とを矛盾が生じ無い様に定義を修正して、この式を成り立たせているのです。

 微分積分学の基本定理の登場により我々に注意が喚起されたメッセージは、
『関数f(x)の積分を計算しようとする場合には、その積分区間における関数の性質(連続である等)を調べなければならない』
というメッセージです。
原始関数を用いて定積分を計算する演算の際に、その定積分積分区間における関数の性質を調べる事を欠かしてはならない、というメッセージです。

 この大切なメッセージについては、日本の高校の積分の授業では、「積分する区間内の全ての変数値に対して関数値が定義されていなければならない」と教えられているようです。先ず、それは必要です。しかし、それだけでは十分ではありません。

そして、高校で習う、
「原始関数F(x)を使って、以下の計算で定積分する。」
に従って計算すると、以下の例の様に、
複合区間を定義域にする高校数学の誤った原始関数F(x)を使った計算では元の関数のグラフの面積が計算できず、
間違った答えになります。 

以下の様に、関数f(x)の連続で無い点を定積分の連結区間内に入れてしまうと以下の間違いをおかします。
F(x)=1/xをxで微分したらf(x)=-1/xになるので、関数f(x)=-1/xの原始関数がF(x)=1/xであると誤解します。
(原始関数は連結区間で1つながりに連続な関数です)
しかし、積分区間を、f(x)が不連続になる変数値x=0を含めた、xが-1から1までの区間にして、
関数f(x)を定積分しようとして、
複合区間を定義域にする誤った原始関数F(x)を使って、
F(1)-F(-1)=1-(-1)=2
という 計算をすると、明らかに間違えます。
上の図で明らかな様に、-1から1までの範囲でのf(x)の積分の結果は(積分がグラフの面積を表すので)、マイナス無限大にならなければなりません。
しかし、上の計算はそれと全く違う、間違った答えになったのが明らかです。

微分積分学の基本定理によって、 
原始関数F(x)を使って被積分関数f(x)の定積分が計算できる事が完全に保証されているのは、f(x)が、その積分区間で連続なときだけです。
それ以外の場合には、その計算の答えが間違っていることがある、という事を認識しなければなりません。

(複合区間を定義域にする誤った原始関数の差で計算するから間違えるのであって、不定積分(必ず連続関数になる)の差で定積分を計算するならば、間違いは起きません。不定積分(いつも連続関数)の差で定積分を求めたと書く答案が一番正しい答案だと思います。)

また、
という計算で得た関数S(x)は不定積分であって、連結区間内で1つながりに連続な関数です。
実際、a>0の場合には、x>0の範囲の定義域だけの関数
S(x)=1/x, (x>0)
だけが得られます。
a≦b<0の場合には、x<0の範囲の定義域だけの関数
S(x)=1/x, (x<0)
だけが得られます。
a=0の場合には、s(x)が計算できません。
このように、
不定積分
は、
定義域がx<0とx>0との両方の領域を含む関数という複合区間を定義域にする誤った原始関数:
x≠0における
F(x)=1/x, (x≠0)
とは異なります。

(もう1つの注意)
 以下の関数f(x)は関数の定義域内の全ての点で連続ですが、1つながりに連続な関数では無いので連続関数ではありません。
高校教科書の誤った連続関数の定義:「関数 f(x) が、定義域のすべての x の値で連続であるとき、 f(x) は連続関数である。」に従うと、これを連続関数とする誤りに陥ります。

《高校数学の「微分積分学の基本定理」の定義》
以下でこの微分積分学の基本定理を考察する。



この切れ切れのノコギリ状の関数f(x)を不定積分した関数S(x)=F(x)を求めてみます。

この関数S(x)=F(x)を微分すると、x=0.5, 1.5, 2.5等では、S(x)=F(x)の微分係数が計算できません。
この関数S(x)=F(x)は原始関数ではありません。
そうなる原因は、被積分関数f(x)が1つながりに連続では無いので連続関数では無かったから、
微分積分学の基本定理の前提条件である、
「関数y=f(x)が、連結区間a≦x≦bの全ての点で連続である」
条件が成り立っていなかったからです。
正しい連続関数の定義に従うと、
「(被積分関数f(x)を連続関数に限定すると)微分積分が逆演算になる」
と要約した、この微分積分学の基本定理が成り立つ事が言えます。
しかし、高校教科書の誤った連続関数の定義:「関数 f(x) が、定義域のすべての x の値で連続であるとき、 f(x) は連続関数である。」に従うと、
上の事例が、
「(被積分関数f(x)を(正しい定義の)連続関数に限定すると)微分積分が逆演算になる」
と要約した、この微分積分学の基本定理の反例になっていると誤解しますので、注意する必要があります。

微分積分学の基本定理の拡張》
 なお、微分積分学の基本定理積分可能性を完全に保証する条件であるf(x)が積分区間で連続でなければならないという条件は、緩める事ができ、
f(x)の不定積分F(x)が積分区間で連続であるだけで良いということが分かっています。
それは、
数学者の藤原松三郎の「微分積分学 第1巻」が、
不連続関数f(x)の積分を広義積分と呼び、
その積分において、関数f(x)の積分区間
a≦x≦b
内で連続な不定積分F(x)が得られたら、

(その積分区間内のxで、f(x)が微分不可能な点があっても良く)
(1)それは、不連続関数f(x)が積分可能である証拠であり、
(2)不定積分F(x)を使った以下の計算で定積分を計算して良い事が書いてあります。
F(b)-F(a)
 

そのため、定積分が可能な積分区間の判定条件を緩めることができ、
不連続な関数f(x)に対して、
その積分区間で連続な1つながりの不定積分F(x)が見つかったなら、
その不定積分F(x)を使ってその区間の定積分を計算して良いです。 


また、小寺平治・著「はじめての微分積分15講」(2,200円)の103ページにも、このことが書いてあります。

(複合区間を定義域にする誤った原始関数の差で計算するから間違えるのであって、不定積分(必ず正しい定義の連続関数になる)の差で定積分を計算するならば、間違いは起きません。不定積分(いつも(正しい定義の)連続関数になる)の差で定積分を求めたと書く答案が一番正しい答案だと思います。)

【ここをクリックした先に、まぼろしの基本定理があります】

リンク:
高校数学の目次


第2講4節 相加平均と相乗平均の不等式

《積が和にかわる対数関数は、相加平均(和)と相乗平均(積)の不等式と相性が良い》

 

佐藤の数学教科書「式と証明・複素数」編の勉強

 

a≧0, b≧0のとき

 (a+b)/2≧√(a・b)

ただし、a≠bのときは

(a+b)/2>√(a・b)

 

【問1】

の大小関係を求めよ。

(問題おわり)

 

(解答の方針)

対数関数の問題を考える場合は、対数の底をそろえる。

 

また、積が和に変わる対数関数の性質は、

相加平均(和)と相乗平均(積)の比較をする相加平均と相乗平均の不等式と似ていることに注目すること。


(相乗平均(積)<相加平均(和)の関係を使う)

 

(相乗平均(積)<相加平均(和)の関係を使う)

 (解答おわり)

 

リンク: 

指数関数と対数関数 log(3)4とlog(4)5

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