重複組合せ(2)

答えの正しさを確認しやすいように問題を簡単にしてみました。

【3種の玉から重複を許して2個を選ぶ組み合わせの数】

 

上図のような3種の玉から、重複を許して2個を選ぶ組み合わせの数を求める。


【解答1】

 この問題は、その組み合せと1対1に対応する別の組み合わせを求める以下の問題を考えます。そして、その組み合わせの数を考えると解けます。

 

上の3種の玉と1種の指示が入った箱から、

目隠しして2個を取り出す組み合せの数が、

3種の玉から、重複を許して2個を選ぶ組み合わせの数である。


1種の指示を選んでも2つ目にはどれかの玉を選ぶことになる。

どれか選ばれた玉を玉1、玉2、玉3の順に上から下にならべる。

そして、

指示(1個目の玉を2個目に追加)は、

選んだ玉を並べた1つ目の玉の次に指示を並べ、その指示を2つ目の玉の替わりにする。

選んだ結果の、玉(及び指示)とにより、3種の玉から、重複を許して2個を選ぶ組み合わせが指定される。


例えば、以下の組み合わせ:

(1)玉2

(2)指示(1個目の玉を2個目に追加)

は、

(1)玉2

(2)玉2

の組み合わせに1対1に対応する


大事なポイントは、この玉と指示の組み合わせ(3種の玉と1種の指示から選んだ2つ)が、3種の玉から重複を許して2個を選ぶ組み合わせに1対1に対応することである。

(1)この玉と指示の組み合わせが、2つの玉を選ぶ1つの組み合わせを表す。

(2)逆に、2つの玉を選ぶ1つの組み合わせは、必ず、この玉と指示の組み合わせによって表すことができる。


そのため、

3種の玉から、重複を許して2個を選ぶ組み合わせの数

=3種(3個)の玉と1種の指示から2個を選ぶ組み合わせの数

(3+1)

=4×3/2=6

この6つの場合を順次に書くと以下の通りになります。


(1)

  玉1

  玉1

の組み合わせ。

これには、以下の玉と指示の組み合わせが対応する。

  玉1

  指示(1個目の玉を2個目に追加)


(2)

  玉2

  玉2

の組み合わせ。

これには、以下の玉と指示の組み合わせが対応する。

  玉2

  指示(1個目の玉を2個目に追加)


(3)

  玉3

  玉3

の組み合わせ。

これには、以下の玉と指示の組み合わせが対応する。

  玉3

  指示(1個目の玉を2個目に追加)


(4)

  玉1

  玉2

の組み合わせ。

これには、以下の玉と指示の組み合わせが対応する。

  玉1

  玉2


(5)

  玉1

  玉3

の組み合わせ。

これには、以下の玉と指示の組み合わせが対応する。

  玉1

  玉3


(6)

  玉2

  玉3

の組み合わせ。

これには、以下の玉と指示の組み合わせが対応する。

  玉2

  玉3


3種の玉から、重複を許して2個を選ぶ組み合わせの数は、以上の6個のみです。

(解答おわり)

 

【解答2】

上図のように①の行と②の行と③の行との3つの行を有し、横の長さが2の格子を考える。格子のA点からB点まで、①の行から③の行まで格子を辿って、右と上に進む最短経路を描く。


上図で、

玉①の数=(①行の、A点から昇り階段までの長さ)

玉②の数=(②行の、階段と階段の間の長さ)

玉③の数=(③行の、階段からB点までの長さ)

とすると、


A点からB点まで、格子をたどって右と上に進む1つの最短経路は、

2個の玉を取る場合の、玉①を数と玉②を取った数と玉③を取った1つの組合せに

1対1で対応する。

そのため、A点からB点までの全ての経路の数は、3種の玉から、重複を許して2個を選ぶ組み合わせの数と等しい。


上図の経路は、

→↑→↑

とあらわせる。

 

図のA点からB点までの全ての経路の数は、(↑)2つと、(→)2つが作る全ての組み合わせの数と等しい。

その数は、

(2+2)

(2+2)!/(2!×2!)

=4×3/2=6

になる。

これは、先の解答と同じ答えである。

(解答おわり)

 

場合の数と確率

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