二次関数のグラフ(放物線の焦点)

放物線の面白い性質を1つ書きます。

この話題は数学C(高校3年)で学びますが、数学ⅠA段階でも、以下の話は理解できるのではないかと思います。


y=xのグラフは以下の放物線グラフです。

 

 

このグラフのA点(0,1/4)はこの放物線の焦点と呼ばれています。

その理由は、この点Aから放物線のB点(x,y)まで行って、そこから垂直に上に上がってC点(x,4)まで行く経路の長さは、いつも同じ長さになるからです。


以下で、このことを示します。

AB=√{x+(y-(1/4))

=√{x+(x-(1/4))

=√{(x+(1/4))

=x+(1/4)


一方、

BC=4-y

=4-x


よって、

AB+BC=x+(1/4)+4-x

=(1/4)+4


このように、AからCまでの経路の長さは、

いつも同じ長さになります。


【放物線による光線の反射】

 放物線上のB点でおり曲がる経路と、B点の近くのD点でおり曲がる経路の長さが同じだと、どういうことがおきるかを、以下の図で考えます。

以下に示すように、この図の経路は、光線が放物線の部分BDを鏡にした鏡で反射する経路になります。

先ず、B点でおり曲がる経路をABCとし、D点でおり曲がる経路をA1-D-C1とします。

経路ABCと経路A1-D-C1は平行で、しかも、その長さが同じです。


経路ABCと経路A1-D-C1の長さが同じであるため、

ED=BF

となります。


△OBFと△ODEを考えると、

辺BF=辺DEであって、

α=∠ODE=∠OBFであり、∠R=∠OFB=∠OEDです。

このように2角侠辺が等しいので、△OBFと△ODEとは合同です。

また、△OBFと△ODEの残りの角である∠Oは

∠O=∠R-α=βであらわします。


△OBFと△ODEとは合同なため、OB=ODです。

そのため、三角形OBDは二等辺三角形になります。

その二等辺三角形OBDの頂角∠O(=∠BOD)=βの2等分線OHは底辺BDに垂直に交わります。


線分BDはβ=∠EDHの二等分線になり、

β/2=∠BDE=∠GDC1 の関係があります。


経路A1-D-C1を光線の経路と考えると、

∠BDE=β/2は入射する光線が線分BDと成す角であって、

∠GDC1=β/2は反射する光線が線分BDと成す角です。

そして、それらの角度が等しいので、光線の鏡への入射と反射の関係がなりたっています。

そのため、経路A1-D-C1は、線分BDの鏡に入射して反射する光線の経路と同じです。


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