微妙な合同の条件

三角形の合同の条件は、中学で以下の3つを教わったと思います。

 

三辺が等しい場合

 

二角とその間の辺が等しい場合

 

二辺とその間の角度が等しい場合

 

【合同の条件(微妙なもの)】以下で、合同の条件で微妙なものを考えます。

 

2つの三角形ABCと三角形DEFを比べて、

1つの角度βと、その角を一端に持つ辺の長さcと、その角をいずれの端にも持たない辺の長さbが等しい場合、はどうでしょうか。

 

この条件が成り立つ場合、2つの三角形が合同になる場合もありますが、

上の図のように、合同にならない場合もあります。

 

上の条件だけでは、必ずしも合同にならない場合もあるのです。

 

そのため、この条件を以下のように微妙に修正することで、合同の条件が得られます。

上図のように、

(1)2つの三角形ABCと三角形DEFを比べて、

1つの90°以上の角度βと、その角を一端に持つ辺の長さcと、その角をいずれの端にも持たない辺の長さbが等しい場合は、

三角形は合同になります。

(学校で教わる条件としては、角度βが直角の場合を、合同の条件として教わっています。)

 

もう1つの合同の条件もあります。

(2)2つの三角形ABCと三角形DEFを比べて、

1つの角度βと、その角を一端に持つ辺の長さcと、その角をいずれの端にも持たない辺の長さbが等しく、

かつ、c<bの場合は、

三角形は合同になります。

 

(3)更に、下図のように、

角度θを90度以下であるものとして角度を制限すると、

これが合同の条件になります。

すなわち、

1つの角度βと、その角βを一端に持つ辺の長さcと、その角をいずれの端にも持たない辺の長さbが等しく、

かつ、辺cの両端以外の頂点の角度θが90度以下の場合は、

三角形は合同になります。

 

(4)同様に、

下図のように、

その角度θを90度以上であるものに角度を制限する場合でも、

これが合同の条件になります。

すなわち、

1つの角度βと、その角βを一端に持つ辺の長さcと、その角をいずれの端にも持たない辺の長さbが等しく、

かつ、辺cの両端以外の頂点の角度θが90度以上の場合は、

三角形は合同になります。

 

(注意)これらの合同の条件は、相似の条件にも利用できると考えます。

 

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