三角比で現れた二重根号の外し方

第1講「三角比の考え」(5)サイン,コサインの応用

「佐藤の数学教科書[三角比・平面図形編]」(東進ブックス)の51ページ

三角比をあらわす式:

が得られました。

しかし、この数は二重根号で複雑な形です。


この二重根号の解き方は、通常の検定教科書には記載されていないそうですが、

佐藤の数学教科書の51ページにその解き方が書いてありました。


ここでは、その解き方を、その説明よりも詳しく解説します。

 

【二重根号の外し方(方法1)】

先ず、

と変形し、その右側の項の形にします。右側の項を、

と仮定した数xとaを求めます。


(以下の計算方針では、√3という数を含んでいない数(x)と(a)を使って表わせる場合の解だけを求める計算をします。

√3を(x)か(a)が含まざるを得なかったら、そこで計算を終わりにする覚悟をして、以下の計算をします)


この式の両辺を二乗します。

 

(x)と(a)とが√3を含んでいない数であらわされるならば、

4=a・(1+3x)   (1)

と、

がなりたつと考えることができます。

2つ目の式を更に簡単にすると、

1=ax   (2)

になります。


(2)より、

(3)を(1)に代入します。

この式から、

この式4を因数分解して解くと:

(a-1)(a-3)=0

a=1 or 3

 

a=1の場合を(3)に代入すると、

x=1

よって、

です。

(a=3の場合も:x=1/9になって、それを代入すると同じ答えになります) 


そのため、

になりました。

 

よって、

です。


【二重根号の外し方(方法2)】

二重根号を外すもう1つの方法を説明します。

という形をしている2重根号は、以下の条件が成り立つ場合に外すことができます。

二重根号は外せない場合もありますので、このやり方で外せなかった場合は、それは、二重根号が外せない場合だと思っても良いです。

a=x+y   (5)

b=x・y   (6)

となるxとyを探します。

そのxとyがあれば、

です。

となるからです。

式5と6の解のx、yを求めるということは、

-a・x+b=0   (7)

の解x、yを求めることと同じです。この式7は、式4と同じ式になります。


具体的な今回の以下の問題の場合は、以下のようにして解きます。

の場合は、

と変形します。

この様に、ルートの中の式は、ルートの2倍の項を含む式に変形して、答えを求めます。

を解く場合は、

(x-4・x+3=0 (式4)を解くのと同じですが)

x+y= a=4=3+1

xy=   b=3=3・1

がなりたちますので

x=3

y=1

が見つかりました。

です。

そのため、

です。

 

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