円順列と数珠順列(10)

円順列とじゅず順列の数を求めます。


問9を少しやさしくした問10を作りました。

以下でこの問題を解きます。


【問10】

(1)×2個と●2個と○2個を円形に並べる方法(円順列)は何通りあるか。

(2)更に、それらを連結したじゅずを作る方法(じゅず順列)は何通りあるか。

 


(1)先ず、円順列の数を求めます。

×と●と○を並べる席が2+2+2=6箇所あります。

6つの席が固定されているならば、×2つと●2つと残り2つを並べる組み合わせの数は、

6!/(2!×2!×2!)=/(2!×2!)

=6×5×4×3/(2×2)=90通り

あります。

×と●と○の1つの円順列の配置を回転させると、固定した席に対しては6倍の異なる配置になる場合があります。

固定した席への配置する場合の数の90通りの配置のうち、1つの円順列の配置を回転させて6倍の配置ができる場合については、その場合の数を6で割り算して円順列の数を数えることができます。


(第1のタイプの配置)

しかし、下の2つの円順列の配置では、1回転の2分の1の回転で元の形と同じ形になります。

 

第1のタイプの、この2つの配置では、1つの円順列の配置を回転させて(固定席への配置では)3倍の配置ができます。

(この2つの円順列の配置以外では、1回転の数分の1の回転で元の形と同じ形になるものはありません。)


第1のタイプ以外の配置では、円順列で1つと数えられる配置を回転して(固定席への配置では)6倍の配置ができます。

第1のタイプ以外の円順列の数は、

第1のタイプ以外の円順列の数

=(固定席での全部の配置の数-(第1のタイプの円順列の数×3))/6

=(90-(2×3))/6=14

一方、第1のタイプの円順列の数は2組でした。

よって、全部の円順列の数は、

14+2=16

組みです。


(2)次に、じゅず順列の数を求めます。

じゅず順列の場合の数を計算するには、円順列の配置毎に、

円の中心を通る折り返し線でその円順列の配置を対称に折り返して、

それが、折り返す前と同じ円順列の配置になる配置があるかどうかを調べます。


(第2のタイプの配置)

下の6の円順列の配置は、図に書き加えた折り返し線で折り返すことができる線対称な形であって、

折り返し線で折り返した配置の形が元の配置と同じ形になるタイプの配置です。

 

この第2のタイプの円順列は6個のみです。

第2のタイプ以外の配置では、折り返した形は、元の形を回転することでは作れません。

第2のタイプ以外の円順列の配置は、元の配置と、折り返した後の配置とは異なる2個の配置と数えられています。

このように、第2のタイプ以外の配置は、円順列では2倍に数えられているので、

第2のタイプ以外の配置の、じゅず順列の数は、倍率である2で割り算して求められ、その数は、

(16-6)/2=5

あります。

 

一方、第2のタイプのじゅず順列の数は6個でした。

そのため、全部のじゅず順列の数は、

じゅず順列の数=5+6=11

 

    

 


場合の数と確率

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