第4講 軌跡(5)

佐藤の数学教科書「図形と方程式」編の勉強


【問1】円x+y=1と定点A(3,-2)がある。この円周上の動点Qにおける接線上に点P(X,Y)をとり、AP=2PQにするとき、点Pの軌跡の方程式を求めよ。


(目標の設定)

 この問題を解く方針の検討において、定石に従って、先ずは、P点のX座標のみを何かのパラメータであらわす第1の式と、Y座標のみを何かのパラメータであらわす第2の式を求めたかった。定石では、その次に、XとYの間に成り立つ関係式を求める。

 しかし、X座標又はY座標を何らかのパラメータを使ってあらわす式は、簡単には導けそうにない。そのX座標あるいはY座標をあらわす式を求めるためには、2次方程式を解かなければいけないように見える。

 そうするには、その式を求めるだけでも、ずいぶん手間がかかりそうだ。

 そのため、仕方ないので、定石である上記の方針を変更して、先ずは、点PのX座標とY座標の間になりたつ関係式を導くことにする。そして、その関係式をあらわすグラフを描いて、図を見ることで、求められた方程式があらわすグラフのどの部分を、点Pが動くかを調べることにする。


(解答)

接点QからPまでの線分の長さQPは、三角形OQPが直角三角形であることからQP=√(OP-OQ)である。そのため、以下の式が成り立つ。

QP=OP-OQ

QP=X+Y-1 (式1)


2PQ=APであるので、

(2PQ)=AP

4{X+Y-1}=(X-3)+(Y+2)

3X+3Y-4=-6X+9+4Y+4

3X+6X+3Y-4Y=17

+2X+Y-(4/3)Y=17/3

(X+1)+(Y-(2/3))=(17/3)+1+(2/3)

(X+1)+(Y-(2/3))=(51/9)+(9/9)+(4/9)

(X+1)+(Y-(2/3))=(8/3) (式2)

ここで、この円は、下の図のようになる。

 

P点がこの円上の全範囲を移動するかどうか、Q点の位置が移動する場合にP点がどこに来るかを図を見ながら検討する。

この図の場合は、点Qが円x+y=1の全円周上を移動する場合に、AP=2PQの関係を満足する点Pも(式2)の全円周上を動くことが図からわかる。


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