円と円の関係(2円の交点を通る直線)

佐藤の数学教科書「図形と方程式」編の勉強


【問1】2つの円

+y=1 (式1)

-ax+y-by=c (式2)

の2つの交点を通る直線mをもとめよ。

(予備知識)

受験問題のときは、2円の2つの交点を通る直線の問題は、直線の式を求めた後で、それをベクトルで解釈して、円の中心との距離を考えます。方程式を解いて計算するのは、計算の見通しがあまり良くありません。それに対して、ベクトルを利用した図形の問題を考えることは、計算の見通しを良くするからです。

 

(式1)-(式2)を計算する。

ax+by=1-c (式3)

この式が、2円の2つの交点を通る直線mの式です。

 

この直線mの式は2円が交わらないときも得られる式です。

この直線mが円と交わる場合に限り2円が交わります。

そのため、次には、この直線mが円と交わるかどうかを調べます。

 

(ベクトルを利用した計算技術を使う)

直線mの式3は、下の図のように考えます。

直線mの(式3)の左辺は、ベクトルAと位置ベクトル(x,y)との内積です。

上図のように、この直線mの式を、ベクトルA(a,b)に平行な単位ベクトル(a,b)/√(a+b)との内積の式に変形する。

 

単位ベクトルと位置ベクトル(x,y)の内積は、その直線の座標原点からの距離をあらわすという特別な意味を持つ。

直線mの原点からの距離=(1-c)/√(a+b

である。

 

この直線が式1の円と交わる条件は、

-1≦(1-c)/√(a+b)≦1

である。この条件を変形すると、

-√(a+b)≦(1-c)≦√(a+b

これが、直線mが円と交わる条件、すなわち、2円が交点を持つ条件である。


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