方べきの定理(の逆)の応用問題1(極と極線の関係)


【問】上の図形で、点Aから円Oへ引いた2つの接線APとAQが円と接する点PとQを通る直線上の点Bを選ぶ。

(点Aと直線PQとの関係は、以下のように名付けられています。すなわち、点Aが極であり直線PQが極線です。)

そのとき、点Bから円Oへ引いた2つの接線BRとBSが円と接する点RとSを結んだ線分RSの延長線が点Aを通ることを証明せよ。


この問題は難問だと思いますので、以下の解答を見て、証明の仕方を覚えるだけで良いと思います。

 


円の中心をOとする。


円の中心と各点P,Q,R,Sを結ぶ補助線を引く。

その補助線とその補助線の端と接続する各接線とのなす角度は直角である。


補助線OAを引いて、それと線分PQとの交点をTとする。

線分OAと線分PQは直交する。

補助線OBを引いて、それと線分RSとの交点をUとする。

線分OBと線分RSは直交する。


△OTPと△OPAは、いずれも直角三角形で、2角が等しいから相似である。

そのため、

OT:OP=OP:OA

∴ OT・OA=OP  (1)

同様にして、△OURと△ORBは相似な直角三角形であるので、

OU・OB=OR  (2)

円の半径OP=ORである。

この関係を使って、式(1)と式(2)から、以下の関係が得られる。

OT・OA=OU・OB (3)

以下のように、方べきの定理の逆の関係が成り立っている

線分TAの延長線と線分UBの延長線とが点Oで交わり、式(3)の関係があるので、

4点T,A,U,Bは、下図のように、1つの円周上にある。


その新しい円について、

円周角の∠ATB=∠AUB=∠R

∴ UBとUAは直交する。


一方、UBとUSは直交する。

USもUAもUBに直交するので、

USとUAは同一直線上にある。

∴ UAと、点Uを含む線分RSは同一直線上にある。


すなわち、線分RSの延長線が点Aを通る。

(証明終わり)

(この定理の双曲線への応用は、ここをクリックしてジャンプする)。


リンク:

極と極線

ベクトル方程式による極と極線

放物線の極線

放物線の極と極線

複素数平面での円の極と極線

円の性質

方べきの定理の証明

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